東武500系電車

東武500系電車（リバティ）

東武鉄道が展開する特急形車両、東武500系電車は、その愛称を「リバティ（Revaty）」とし、2016年に製造され、翌年4月に営業運転を開始しました。本系統は、日光線、鬼怒川線、伊勢崎線、野田線といった各路線の直通特急列車として運行されています。

概要

東武鉄道にとって26年ぶりに新造された特急車両であり、特急6050系、300系、200系の一部を置き換える形で導入されました。リバティという名称は、「Variety」（多様性）と「Liberty」（自由）に由来し、様々な路線での自由自在な運行を象徴しています。また、この名称は2016年に商標登録されました。

この500系は、2018年には「鉄道友の会」からローレル賞を受賞するなど、その評価も高いです。これは、東武鉄道の車両としては初の受賞にあたります。

車両設計

車体

500系電車は、軽量化を実現するためにアルミ合金のダブルスキン構造を採用しました。また、プラットフォームとの段差を解消するため、床面の高さを100系よりも60mm低く設定しています。

デザインは、東京スカイツリーの先進性や豊かな自然を想起させるものとなっています。車体の外観は、シャンパンベージュを基調にフォレストグリーンやフューチャーブルーを配し、優れた美観を持ち合わせています。このデザインは「KEN OKUYAMA DESIGN」が手掛けました。

車内

車内は、白を基調として、木目調で彩られ、雄大な自然を感じられる空間となっています。天井は波型のデザインとし、窓の間には江戸小紋のデザインが施されています。座席は江戸紫に彩色され、裾には伝統工芸に基づく模様が取り入れられています。

各座席にはコンセント、ドリンクホルダー、網ポケットが完備されており、快適に過ごせる工夫がなされています。トイレは洋式に加え、バリアフリー対応の多機能トイレも設置されています。また、専用のWi-Fiルーターが全車両に搭載されており、乗客には無料で無線LANサービスが提供されています。

乗務員室

運転室は中央貫通構造となっており、運転士が編成間を通行可能です。運転制御はワンハンドル式を採用しており、視界性能や信号確認に配慮した設計がなされています。

運用実績

リバティは、東武日光線及び鬼怒川線系統の特急や、野岩鉄道、会津鉄道への直通運行にも使用されています。特急「リバティけごん」、「リバティきぬ」、及び「リバティ会津」など、多様な運行を行い、さらにはスカイツリーライナーなどの近距離特急としても利用されています。将来的には「アーバンパークライナー」も予定されています。

主要機器と技術

500系は、安定運行、快適性、環境負荷の低減という三つの観点から機器が設計されています。電動機、補助電源装置はバックアップ二重系を採用しており、不具合時でも運行を継続できるよう工夫されています。また、最新のブレーキシステムや動揺制御装置が装備され、より安全で快適な運行を実現しています。

このように、東武500系電車「リバティ」は、複数の路線での自由な運行が可能であり、快適な旅を提供するための多様な機能が詰まった特急車両なのです。

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