東武ED4010形電気機関車

東武ED4010形電気機関車

東武ED4010形電気機関車（とうぶED4010がたでんききかんしゃ）は、東武鉄道が運営していた電気機関車です。この機関車については、同じく東武鉄道が所有したED4020形についても触れます。

概要

ED4010形は、ED4011とED4012の二両が存在し、ED4020形にはED4021とED4022の二両が含まれています。これらは、戦中から戦後にかけて東京芝浦電気（現在の東芝）によって製造され、独特な前傾したボンネットを持つ凸形車体が特徴です。このタイプは、いわゆる「東芝標準型」及び「東芝戦時型」として知られています。

東武鉄道が貨物列車の牽引に使用していたのは長らく蒸気機関車だったため、電気機関車が入線したのは1930年2月に注文の流れで入った1両のみでした。ED4010形は元々1945年に海南島用に製造された機関車で、赤旗などの装飾が施されていたと言われています。終戦後には必要がなくなり、1946年に東武へと入線しました。

一方、ED4020形は1947年から製造されたED45形がベースであり、主に自重や歯車比が異なるほか、車体幅もやや狭いといった違いがあります。1951年にはコンプレッサーの搭載や車番変更も行われています。1955年になると、ED40形とED45形の改番が行われ、ED4010形およびED4020形としての名称が与えられました。

特徴

この電気機関車は、中央に乗務員室があり、横向きでの運転が行われるデザインです。入線後の1961年には、板台枠台車からウィングバネ式台車へと変更され、さらには電気機器の更新や前照灯のシールドビーム化なども行われました。

外観には、乗務員室の上に1つのパンタグラフがあり、茶色の塗装が施されています。また、正面にはゼブラ塗装が施されており、現場では「カニ」と称されていました。

運用

新型電気機関車の導入に伴い、ED4010形は主に貨物駅での入れ替えに用いられていました。全機が東武本線で運行されていました。

廃車

1986年6月27日にはED4012が廃車され、1982年11月18日にはED4011とED4022、さらに1984年3月30日にはED4021がそれぞれ廃車となりました。ED4011とED4021は、宣伝用として個人に譲渡されました。

廃車後の動向

ED4012は廃車後も杉戸工場内に留置されていましたが、一時、東武動物公園への保存が噂されたことがありました。杉戸工場内には他にもさまざまな車両が留置されており、雨ざらしの状態が続いていました。1988年三月には整理が行われ、ED5015は整備後東武博物館に移送されましたが、他の車両は解体や倉庫内の収容が行われました。

ED4012を含むさまざまな車両がこの時点で収容され、博物館展示が予定されていた車両はそのまま放置されることになりました。ED4012は雨ざらしの運命を辿ることになり、最終的には解体されました。

主要諸元

この機関車の主要な諸元は以下の通りです：

• - 全長：11,050mm
• - 全幅：2,744mm
• - 全高：4,100mm
• - 重量：45.0t
• - 電気方式：直流1500V（架空電車線方式）
• - 軸配置：B-B
• - 台車形式：FS29
• - 主電動機：SE150形×4基
• - 歯車比：17:79＝1:4.65
• - 1時間定格出力：440kW
• - 1時間定格引張力：6480kg
• - 1時間定格速度：21.5km/h
• - 動力伝達方式：1段歯車減速、吊り掛け式
• - 制御方式：抵抗制御、直並列2段組合せ制御
• - 制御装置：電磁空気単位スイッチ式
• - ブレーキ方式：EL14A空気ブレーキ、手動ブレーキ

この機関車についての詳細情報は、他の関連項目とともに知っておくと良いでしょう。

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