東浦町中央図書館

東浦町中央図書館について

東浦町中央図書館は、愛知県知多郡東浦町にある公共図書館です。図書館流通センターが指定管理者として運営を行っています。特徴的な建物は「大きな本の森」をイメージしており、館内には幹を模した柱や、枝葉を模した梁がドーム型の天井に放射状に伸びています。床には落葉や木の実をモチーフにしたカーペットが敷かれ、書架や椅子は地元企業であるカリモク製を使用しています。1992年には照明学会の照明普及賞を受賞しました。

特筆すべき点

多言語対応: 公式サイトでは、日本語の他に英語とポルトガル語の案内ページも用意されています。
ユニークな内装: 「大きな本の森」をコンセプトにした建物は、訪れる人を魅了します。
地域に根ざした活動: 市民団体との連携や、ワークショップの開催など、地域住民に親しまれる図書館運営を行っています。

特別資料室

館内には、東浦町出身の国文学者である久松潜一と、万葉研究者の久米常民に関する特別資料室が設けられています。久松文庫には、著作約200冊や直筆原稿約400点、久米文庫には国文学研究書約1,800冊が所蔵されています。これらの資料は、図書館の貴重な財産となっています。

市民との協同

図書館では、利用者参加型のワークショップ「よむらびカフェ」を開催し、利用者からの意見を反映した図書館運営を行っています。また、図書館愛好者による市民団体「よむらびサポーターズ」と協力し、自宅や店舗などを開放して本を共有する「ぐるぐる図書館」という活動も行っています。

歴史

図書館の歴史は古く、1922年には東浦村図書閲覧所が設立されました。1927年には東浦村立公益図書館が開館し、多くの人に利用されました。戦後、1976年には東浦町中央公民館図書室が開館、そして1991年に現在の東浦町中央図書館が開館しました。

戦前

1922年: 東浦村図書閲覧所が開設
1927年: 東浦村立公益図書館が開館。年中無休で、土足での利用も可能でした。

東浦町中央公民館図書室

1976年: 東浦町中央公民館図書室が開館
1988年: 中央図書館（仮称）基本構想委員会が設置
1990年: 大建設計による設計で着工
1991年: 東浦町中央図書館が竣工

東浦町中央図書館（1991年〜）

1991年: 東浦町中央図書館が開館。児童文学作家の講演会を開催
1994年: 蔵書数10万点を突破
2001年: 東浦町、東海市、大府市、知多市の3市1町で公共施設の相互利用協定を締結
2003年: 相互利用協定に半田市、常滑市など2市4町が加盟し、利用範囲が知多半島全域に拡大
2012年: 刈谷市との間で衣浦定住自立圏の協定を締結し、利用範囲が拡大
2021年: 開館30周年を迎え、視聴覚・ブラウジングコーナーをリニューアル
2022年: 指定管理者制度を導入し、図書館流通センターが運営

統計

開館当初から高い利用率を誇り、人口一人当たりの貸出点数は全国平均を大きく上回っています。

まとめ

東浦町中央図書館は、そのユニークな建築デザインだけでなく、地域に根ざした活動も積極的に展開している図書館です。多言語対応や特別資料室の設置、市民団体との協同など、様々な取り組みを通じて、地域住民の知的好奇心を満たす役割を担っています。図書館の歴史を振り返ると、地域住民に寄り添いながら、常に進化を続けていることがわかります。

基礎情報

所在地: 愛知県知多郡東浦町
運営: 図書館流通センター（指定管理者）
開館時間: 午前9時～
休館日: 月曜日（夏休み期間を除く）

参考文献

『愛知県下公私立図書館記念写真帖』愛知県図書館協会、1928年。
加藤三郎『愛知県図書館史年表資料考説 愛知県における図書館のあゆみ』中部図書館学会、1981年。
東浦町中央図書館『図書館のあらまし（平成3年7月-平成4年6月）』東浦町中央図書館、1992年。
東浦町中央図書館『平成27年度実績報告図書館年報』（PDF）東浦町中央図書館、2016年。
東浦町町誌編さん委員会『新編 東浦町誌・本文編』東浦町、1998年。

関連項目

愛知県の図書館一覧

外部リンク

* 東浦町中央図書館

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