東海ラジオ放送七宝送信所

東海ラジオ放送七宝送信所について

東海ラジオ放送七宝送信所は、愛知県あま市七宝町に所在する、東海ラジオ放送のAMラジオ主幹送信所です。この送信所は、長年にわたり東海地方のラジオ放送を支える重要な役割を担ってきました。

送信所の概要

所在地: 愛知県あま市七宝町下田字四反割900番地（北緯35度10分26.2秒、東経136度47分18.6秒）
特徴:
1992年4月4日から2012年5月13日までAMステレオ放送を実施。
1966年の無人化以前は、送信所内で機材の修理や開発が行われ、「七宝通信工業」とも呼ばれていた。
当初、名古屋市港区に設置予定だったが、伊勢湾台風による浸水で断念。次に中川区富田町を検討したが、地価高騰により現在の地に移転。
2014年5月19日、老朽化した旧施設から新施設へ移転。

放送エリア

東海ラジオの放送エリアは、愛知・岐阜・三重の東海3県全域と、静岡県西部の一部地域をカバーしています。また、愛知県豊橋市、岐阜県高山市、三重県伊賀市などには、中継局が設置されています。

歴史

七宝送信所の歴史は、東海ラジオ放送の黎明期から現在に至るまで、多くの変遷を経てきました。

1959年2月18日: 三重県の近畿東海放送と岐阜県のラジオ東海が共同で名古屋に新ラジオ局の免許を申請。
1959年9月26日: 名古屋局の予備免許を取得（コールサイン：JOSF、周波数：1490kc、出力：10kW）。
1959年11月20日: 近畿東海放送とラジオ東海が合併し、東海ラジオ放送が誕生。
1960年4月1日: 名古屋親局（七宝送信所）から放送開始。合併前の主幹送信所（津局・岐阜局）は廃止。
1962年2月: 周波数を1330kcに変更。七宝送信所の自動化計画に着手。
1962年6月1日: 七宝送信所の基礎的な自動化が完了。
1966年8月15日: 七宝送信所の本格的な自動化システムが完成。本社からの遠隔制御・監視が可能になり、送信所は無人化。
1971年12月1日: 出力を50kWに増力。
1978年11月23日: 周波数を1332kHzに変更。
1992年4月4日: 午後1時45分からAMステレオ放送を開始。
2012年5月14日: 午前2時25分をもってAMステレオ放送を終了。

技術革新と変遷

七宝送信所は、その歴史の中で数々の技術革新を遂げてきました。初期の自動化から、AMステレオ放送の導入、そして送信所の建て替えに至るまで、常に最新の技術を取り入れ、放送品質の向上に努めてきました。

特に、1960年代の送信所の自動化は、ラジオ放送の効率化において画期的な出来事でした。また、AMステレオ放送の実施は、リスナーに新たな聴取体験を提供しました。これらの取り組みは、東海ラジオ放送が常に時代の一歩先を見据えていた証と言えるでしょう。

新送信所の運用開始は、老朽化した旧施設からの移転を意味し、より信頼性の高い放送サービスを提供するための重要なステップでした。この新施設は、最新の設備を備え、未来の放送技術にも対応できるよう設計されています。

七宝送信所は、東海地方のラジオ放送の歴史と共に歩み、その発展に大きく貢献してきました。これからも、地域社会に欠かせない情報とエンターテイメントを届けるための重要な拠点として、その役割を果たし続けるでしょう。

参考資料

東海ラジオ放送『東海ラジオ放送二十年史』東海ラジオ放送、1979年11月20日。

外部リンク

* 東海ラジオ 1332kHz / 92.9MHz

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