東海交通

東海交通株式会社

愛知県豊橋市を拠点とする東海交通株式会社は、タクシー事業を主軸に、介護サービスや広告事業も手広く展開する企業です。地域に根差した総合的な交通サービスを提供する事業者として知られています。ただし、神奈川県横須賀市や沖縄県石垣市にも同名の法人が存在しますが、これらはそれぞれ独立しており、東海交通株式会社とは資本的・人的な関連は一切ありません。

概要

東海交通は、豊橋市内で最も多くのタクシー車両を保有する企業の一つです。事業の中核となる拠点は、市東部の岩屋営業所（本社所在地）と、市西部の高洲営業所の二箇所に置かれています。

主な事業であるタクシー運行においては、グループ企業である東愛知日産自動車との連携から、日産製の車両が多く導入されているのが特徴です。近年では環境問題への意識の高まりに応え、東三河地域で初めてハイブリッド車（トヨタプリウス）や電気自動車（日産リーフ）をタクシー車両として導入・運行を開始するなど、環境負荷低減に向けた取り組みを積極的に進めています。また、車両の後方窓に広告を掲載する「リアウィンドウ広告」を愛知県内で初めて採用したパイオニアとしても知られています。

タクシー運行以外にも、介護保険制度に基づく訪問介護サービスや、高齢者や障がい者の外出を支援する介護・福祉タクシーサービスなど、介護事業を展開しています。さらに、タクシー車両などを活用した広告事業も行っています。かつては、コンビニエンスストアチェーン「サークルKサンクス」の地域フランチャイザーであったサンクス東海株式会社（当時）と協力し、一部店舗前にタクシー乗り場を設置することで、利用者の利便性向上と店舗の防犯対策の両面に貢献していました。両社の本社所在地が近距離にあったことも、連携を深める要因となりました。

地域生活バスタクシー事業

東海交通は、豊橋市が地域住民の移動手段確保を目的に実施する「地域生活バスタクシー」事業の運行を委託されています。これは、主に路線バスが廃止され「交通空白地域」となった地区において、通勤・通学・通院といった日常生活に必要な移動手段を確保するための取り組みです。

現在、豊橋市内の以下の5地区で、東海交通がジャンボタクシーを用いた地域生活バスタクシーの運行を担っています。

東部東山線: この事業の先駆けとして2008年7月に運行を開始しました。二川東山地区を中心に運行し、主要な駅や医療機関で他の公共交通機関との乗り換えが可能です。9人乗りジャンボタクシーが使用され、岩屋営業所が担当します。
前芝地区: 「しおかぜバス」の愛称で親しまれています。前芝地区から豊橋駅西口方面を結ぶルートなどがあります。13人乗りジャンボタクシーが使用され、高洲営業所が担当します。
川北地区: 「かわきたバススマイル号」と呼ばれ、下地・津田・大村の各校区をカバーしています。9人乗りジャンボタクシーが使用され、高洲営業所が担当します。
細谷・小沢校区: 「愛のりくん」という愛称の乗合タクシー形式です。事前に利用登録を行った住民が利用可能で、岩屋営業所が担当しています。

これらの地域生活バスタクシーは、年末年始を除く平日を中心に運行されており、地域住民の身近な足として機能しています。

所有車両

約200台の多様な車両を保有し、様々な輸送ニーズに対応しています。

普通車: 日産セドリック、トヨタクラウンセダン、トヨタクラウンコンフォート、トヨタジャパンタクシーなど
ハイブリッドタクシー: トヨタプリウス
電気自動車: 日産リーフ
ジャンボタクシー: 日産キャラバン、トヨタハイエース
福祉車両: 日産 NV200バネット
寝台車
チャーター車（運転手付き）

営業所・連絡所

豊橋市内に主要な営業所と複数の連絡拠点を配置し、市内各所をカバーしています。

岩屋営業所（豊橋市岩屋町）
高洲営業所（豊橋市高洲町）
大清水連絡所（豊橋市南大清水町）
南栄連絡所（豊橋市南栄町）
魚町連絡所（豊橋市魚町）
本町連絡所（豊橋市上伝馬）
東田連絡所（豊橋市東田仲ノ町）
瓦町連絡所（豊橋市南瓦町）
二川連絡所（豊橋市大岩町）

主なタクシー乗り場

豊橋市内の主要駅や商業施設、病院など、多くの場所でタクシー乗り場を設けています。

豊橋駅（西口、東口）
二川駅（南口、北口）
広小路通り、駅前大通り沿いの主要箇所
アピタ向山、イオン豊橋南など
ロワジールホテル豊橋
豊橋市役所
豊橋市民病院、豊橋医療センター、豊橋ハートセンター、弥生病院、武内眼科など主要医療機関
豊橋競輪場
シンフォニアテクノロジー豊橋製作所、日東電工豊橋事業所など

沿革

1951年 1月8日: 会社設立。
2008年 7月2日: 豊橋市からの委託を受け、地域生活バスタクシー「東部東山線」の運行を開始。
2009年 1月31日: 高師台連絡所を閉鎖。