東海北部線

東海北部線の概要

東海北部線（とうかいほくぶせん）は、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国の国境を越える重要な鉄道路線です。この路線は、韓国の江原特別自治道高城郡の猪津駅と北朝鮮の江原道高城郡の鑑湖駅を結び、両国の鉄道交通の復旧に向けた取り組みが続いています。

歴史的背景

この路線は、日本の占領時代に始まり、1929年から部分的に運行を開始しました。1937年には襄陽までが開業しましたが、戦後の韓国と北朝鮮の分断、そして朝鮮戦争により線路は破壊され、運行は停止されました。その後、韓国側では長い間放置され、1967年に全線が正式に廃線となりました。

北朝鮮における復旧

北朝鮮側では1996年に金剛山青年線として安辺から金剛山青年駅に至る区間が復旧されましたが、燃料不足と建設の不備により、運行は行われていません。両国の国境を越える形での運行は停滞したままです。

韓国における復旧プロジェクト

韓国側は1961年から68年にかけて部分的に復旧を行い、2005年には軍事境界線を越えて猪津駅までの区間が運行されるようになりました。さらに2022年には江陵から猪津までの未成区間の工事が始まり、2027年には開業が予定されています。この全線開通によって、釜山から元山までをつなぐ重要な交通路となることが期待されています。

かつての旅客運行

かつて、東海北部線では京城（現在のソウル）から外金剛駅までの夜行列車が運行され、多くの観光客を誘致しました。特に観光シーズンには運行本数が増加し、沿線の観光地へのアクセスが改善されていました。ただし、当初の運行本数は限られており、そこまで重要視されていなかったとされます。

再連結事業

南北首脳会談後の2000年以降、東海北部線の復旧工事が進められ、2007年には試運転が行われるなど、南北間の鉄道交通の改善に向けた動きが見られました。しかし、本運行に至るまでには多くの交渉と問題が残っています。

未来の展望

2027年度の全線開業が実現すれば、韓国と北朝鮮の連携が再び強化され、地域間の移動が円滑になることが期待されます。また、これにより両国の経済的なつながりが新たに築かれる可能性もあります。とはいえ、その過程では政情による影響など、様々な課題が待ち受けていることも事実です。

東海北部線は歴史的な背景を有しながらも、未来に向かって再接続されつつある路線です。韓国と北朝鮮の関係性の象徴的な存在として、これからの展開が注視されています。

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