東海大学伊勢原キャンパス

東海大学伊勢原キャンパスは、神奈川県伊勢原市に位置する、東海大学の重要な教育・研究拠点です。特に医学部付属病院を中心に、医学や医療分野における教育、研究、そして臨床医療機能を集約しています。

所在地

キャンパスは伊勢原市下糟屋に広がり、伊勢原市役所の北側、渋田川を挟んだ台地上に立地しています。敷地は下糟屋、東富岡、粟窪といった複数の町域にまたがり、その総面積は12万平方メートルを超えます。かつては「望星台」という通称でも呼ばれ、郵便物もこの名称で届くことがありました。正式な住所は神奈川県伊勢原市下糟屋143です。

沿革

伊勢原キャンパスの歴史は、1968年7月の野球場建設に始まります。これは付属相模高等学校の敷地となった野球場に代わるものとして計画され、翌1969年8月には7000名収容のスタジアムを備えた野球場が開場しました。1970年代に入ると、医学部と付属病院の設置計画が具体化し、1973年には医学部棟と病院棟の着工、そして付属本田記念幼稚園が開園しました。1974年10月には現在の1号館が竣工し、翌1975年2月17日には医学部付属病院が開院、医療拠点としての機能が本格的に始動しました。その後もキャンパスは発展を続け、1987年には松前記念体育館を含む2号館、1995年には3号館、2000年には4号館といった教育研究施設が順次竣工しました。2005年には最新の病院機能を持つ5号館とエネルギーセンターが完成。2013年には5号館付属棟、2014年にはドクターヘリ格納庫、2015年には松前記念講堂が整備されるなど、施設の拡充が進められました。キャンパスの名称については、2022年4月に一時的に湘南キャンパス伊勢原校舎と改称された後、2023年4月には再び伊勢原キャンパスへと復称しています。

主要施設

キャンパス内には、医学部付属病院を中心とした様々な建物があります。

1号館: 1974年竣工の10階建ての建物です。開設当初は病院の外来や病棟も含む複十字形の構造でしたが、2005年の新病院棟完成後、病院機能の大部分が移転し、一部は解体されてバスロータリーとなりました。現在は主に医学部医学科や工学部医工学科、病院医局などが使用しています。この建物は1978年にテレビドラマ『白い巨塔』のロケ地としても使用され、第17回BCS賞を受賞しています。医学部・医学部付属病院創設50周年記念事業の一環として、老朽化・耐震性不足のため改築計画が進められています（新1号館計画）。
2号館: 1987年竣工の7階建ての建物で、「松前記念体育館」とも呼ばれます。上層階には医学部向けの体育施設があり、下層階には皮膚科・精神科の外来や健診センターが配置されています。
3号館: 1995年竣工の7階建ての建物です。かつて健康科学部が使用していましたが、現在は主に医学部看護学科が利用しています。
4号館: 2000年竣工の2階建ての実験施設です。
5号館: 2005年竣工の14階建ての建物で、新病院棟として機能しています。上層階には病棟（合計804床）があり、下層階には外来診療部門や手術室、検査施設などが集約されています。
松前記念講堂: 2015年竣工の2階建ての建物で、各階に約200名規模の階段教室を備えています。

この他にも、屋外にはテニスコート（5面）や学生部室棟が整備されています。また、近隣には病院職員用の単身者寮があります（徒歩約15分）。かつては長期入院患者家族向けの宿泊施設「かもめのいえ」も存在しましたが、2024年度末で閉所となりました。

配置機関

伊勢原キャンパスには、以下の教育・研究機関および付属施設が設置されています。

東海大学医学部（医学科、看護学科）
東海大学工学部（医工学科 ※ただし1・2年次は湘南キャンパスで教育）
東海大学大学院医学研究科（医科学専攻、看護学専攻、先端医科学専攻）
東海大学大学院工学研究科（医用生体工学専攻）
東海大学総合医学研究所
東海大学付属図書館伊勢原図書館（1号館と3号館に分かれて設置）
東海大学医学部付属病院
東海大学付属本田記念幼稚園

過去には健康科学部（看護学科、社会福祉学科）が置かれていましたが、2018年度の改組によりそれぞれ医学部看護学科（伊勢原キャンパス残留）および健康学部健康マネジメント学科（湘南キャンパスへ移転）となりました。

交通アクセス

公共交通機関を利用する場合、小田急小田原線の伊勢原駅が最寄り駅となります。

伊勢原駅からは徒歩で約15分です。
駅からは神奈川中央交通バスも利用できます。伊勢原駅南口4番のりばから「伊06 東海大学病院行き」、または伊勢原駅北口2番のりばから「伊74 東海大学病院経由愛甲石田駅行き」に乗車し、「東海大学病院」バス停下車すぐです。バスでの所要時間は約10分です。

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