東海市立中央図書館

東海市立中央図書館

東海市立中央図書館は、愛知県東海市中央町に位置する公共図書館です。本館に加え、分館である東海市立横須賀図書館を擁し、地域住民の学習と文化活動を支える重要な拠点となっています。

歴史

公民館図書室時代 (1970-1977)

1969年、知多郡上野町と横須賀町の合併により東海市が誕生しました。市制発足当初、図書館サービスは東海市立上野公民館図書室と移動図書館車「みどり号」によって提供されていました。上野公民館は、市民の学習や交流の場として、図書室を含む多様な施設を備えていました。1970年代には蔵書数が大幅に増加し、1977年には約42,000冊に達しました。しかし、当時の東海市には独立した図書館施設がなく、公民館図書室がその役割を担っていました。

東海市立中央図書館 (1977-)

1977年7月14日、大池公園北東角に独立館として東海市立中央図書館が開館しました。開館に際して約1万冊の新規購入を行い、蔵書数は約53,500冊となりました。当時の延床面積は2,400平方メートルで、知多半島最大規模を誇り、愛知県内でも3番目の広さを誇りました。開館当初の開館時間は10時から18時までで、火曜日、祝日、月末日が休館日でした。館内には特別閲覧室が設置され、視覚障害者用設備や車いす利用者向けのトイレなどが備えられました。

開館後の発展

開館後、図書館は様々なサービスの拡充と施設の改善に取り組んできました。1981年には大活字本や点字本コーナーが設置され、1982年には児童親子閲覧室が拡張されました。1987年にはコンピュータシステムが導入され、貸出業務が効率化されました。その結果、貸出冊数は大幅に増加し、1987年度には前年度比35%増の約57万冊に達しました。1992年には開館時間が19時までに延長され、祝日も開館となりました。1995年には愛知県図書館とのオンラインシステムが導入され、1996年には総貸出冊数が1,000万冊を達成しました。

2000年代に入ると、インターネット予約サービスやICタグによる入退館管理システムが導入されました。2007年には開館時間が20時までに延長され、月末の休館日が廃止されました。2015年には、日本福祉大学東海キャンパス内に「東海市図書コーナー」が設置され、2017年には開館40周年を迎えました。

各館

東海市立中央図書館

中央図書館の建物は、レンガを模した落ち着いた外観が特徴です。約26万冊の蔵書と1万点以上の視聴覚資料を所蔵しています。玄関前広場には、江戸時代の儒学者である細井平洲の等身大座像が設置されています。館内からは、緑豊かな大池公園を眺めることができ、利用者は落ち着いた雰囲気の中で読書や学習を楽しむことができます。

特殊コレクション

東海市立中央図書館には、「岡島文庫」と「蟹江一忠文庫」という2つの特殊コレクションがあります。岡島文庫は、東海市長を務めた岡島錦也氏の遺志により開設されたもので、植物に関する資料約320冊を所蔵しています。蟹江一忠文庫は、カゴメ株式会社社長を務めた蟹江一忠氏の寄付により開設され、農業に関する図書約1,200冊を所蔵しています。

東海市立横須賀図書館

2019年1月4日、名[[鉄常滑線]]尾張横須賀駅前に「まなぶん横須賀」内に東海市立横須賀図書館が開館しました。1階と4階が図書館となっており、一般図書、児童図書、閲覧学習コーナーが設けられています。駅前という便利な立地から多くの市民に利用されています。

ネットワーク施設

東海市内の7つの施設がネットワーク施設として位置づけられており、中央図書館で借りた図書の返却や、予約した図書の受け取りが可能です。これにより、市民は自宅や職場に近い場所で図書館サービスを利用できます。

移動図書館（廃止）

1969年から2005年まで、移動図書館車「みどり号」が市内を巡回していました。3世代にわたり親しまれた移動図書館でしたが、2005年にサービスを終了しました。

利用案内

東海市立中央図書館は、地域住民の学習と文化活動を支える重要な拠点として、今後も発展を続けていくことが期待されます。

参考文献

東海市史編さん委員会『東海市史 通史編』東海市、1990年。
東海市立中央図書館『20歳のあゆみ』東海市立中央図書館、1998年。
東海市立中央図書館『図書館で出会ったとっておきの本 東海市立中央図書館開館40周年記念ブックリスト』東海市立中央図書館、2018年。

関連項目

愛知県の図書館一覧

外部リンク

* 公式ウェブサイト

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