東海新報

東海新報の概要

東海新報（とうかいしんぽう）は、岩手県大船渡市、陸前高田市、気仙郡住田町の2市1町を対象にした地域新聞である。編集・発行は東海新報社が手がけており、日本新聞協会には非加盟のため、日刊として扱われているが、性質としては雑誌に近い特徴を持っている。2017年時点での発行部数は約13,700部で、地域の情報発信に貢献している。

創刊の背景と特色

この新聞は、1958年に岩手新報や河北新報の記者だった鈴木正雄を中心にして創刊された。誌名は、岩手県の最東端を意味する「東海」と名付けられている。主な収入源は広告収入であり、創刊以来、地元企業や公的機関からの外部資本を受け入れずに独自の運営を続けている。このため、紙面には地域の情報が豊富に掲載されており、共同通信社や時事通信社からの配信は受けていない。こうした点が、東海新報を地域密着型の新聞として特異にしている。

また、2011年4月からは紙面の題字が従来の縦書きから横書きに変更された。これにより、より現代的な印象を与えるようになった。

コラム「世迷言」

東海新報には、「世迷言」というコラムが存在する。このコラムは主筆である社長の視点を反映しており、社説とは異なる。具体的には、靖国神社問題に関しては、2006年に小泉純一郎元総理大臣や民主党政権の閣僚たちが靖国神社に参拝したことを支持しており、竹島問題については、日本政府が韓国に対して弱腰であると批判する内容が含まれている。

発行と掲載内容

東海新報社の発行所は、岩手県大船渡市に所在し、郵便番号は022-0002である。かつてはテレビ・ラジオ欄も掲載されており、NHKや地元の放送局に関する情報が記載されていたが、震災が発生した2011年以降、紙面に変更が見られた。その年の東日本大震災に関する報道は、特に重要視され、取材体制が強化された。

震災発生当日には、同社の公式サイトの更新がストップしたが、4月1日から更新が再開された。また、他の地方紙である胆江日日新聞が東海新報社を訪れて震災後の状況を取材し、発行された紙面のデータが相互に利用されるなど、地域の情報伝達の重要な役割を果たした。震災後には急遽号外を製作し、地域の避難所に配布する活動も行なっている。

その他の特徴

さらに、東海新報では元号表記において、「平成xx年」及び「元号（西暦）」の形式を用いている。また、日本の祝日に関する情報は、題字の下に広告として日章旗とともに表示されている。

2023年には、NHKドキュメント72時間による密着取材も行われ、この地域新聞の活動が広く紹介された。

このように、東海新報は地域密着型の新聞として、広告収入を基に独自の運営を行い、時代の変化に合わせた柔軟な対応をしています。

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