東海電気通信局

東海電気通信局の概要

東海電気通信局（とうかいでんきつうしんきょく）は、愛知県名古屋市に所在した、日本電信電話公社の一部であり複数の県にわたる電気通信業務の管理を行っていました。主に愛知県、静岡県、岐阜県、三重県の通信網の統括を担っており、現在のNTT上前津ビルにはその名残があります。

歴史的経緯

東海電気通信局の起源は1886年に遡ります。この年、急増する電信業務に対応するため、名古屋逓信管理局が設立されました。これは愛知、岐阜、三重といった地域の通信を管理する目的で設立されました。しかし、設置から約3年後の1889年には、経費削減のために廃止され、東京逓信管理局に統合されるなど民間通信業務に徐々に移行していきました。

その後、日露戦争に伴う通信需要の増加とともに、1910年に名古屋逓信管理局が再設置されます。しかし、1913年の行政改編により、再び大阪市の西部逓信局に移報されることになります。

1919年の西部逓信局分割後、愛知・岐阜・三重・長野・富山・石川・福井を管轄する名古屋逓信局が新設されました。この組織は、1943年には新潟逓信局の設立により長野、富山、石川、福井を移管された結果、管轄区域は愛知・静岡・岐阜・三重となります。

1949年、日本の通信行政の再編に伴い、逓信省の下に東海電気通信局が発足します。この際、愛知県、静岡県、岐阜県、三重県の通信業務が統括されることとなり、その後、1952年に電気通信省が日本電信電話公社に改組されました。

様々な変遷

1985年に国営化が進む中、東海電気通信局はNTT東海総支社に再編され、その後さらに愛知支社と名古屋支社を統合してNTT東海支社となりました。一方で、1999年にはNTT東海支社の廃止とともに、名古屋、岐阜、三重、静岡の各支店に業務が移管される等、組織の集約が進められていきました。

現在の姿

現在、東海電気通信局の旧庁舎はNTT西日本に利用されており、名古屋の通信業務の重要な拠点の一つとされています。このように、東海電気通信局は、日本の通信網の発展において重要な役割を果たした機関として位置づけられています。

参考文献

1. 日本電信電話公社 東海電気通信局 編集『東海の電信電話 -90年のあゆみ-』1962年
2. 日本電信電話公社 東海電気通信局 編集『東海の電信電話 第2巻』1974年
3. 日本電信電話公社 東海電気通信局 編集『東海の電信電話 第3巻』1984年

関連項目

• - 三重電気通信部

このように、東海電気通信局はその設立、役割、歴史を通じて、日本の通信システムにおける重要な機関だったと言えます。

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