東湊停留場

大阪府堺市堺区に位置する東湊停留場は、阪堺電気軌道阪堺線の重要な停車駅の一つであり、駅番号はHN26が与えられています。地域の生活を支える路面電車として、長年にわたり運行が続けられています。

東湊停留場の歴史は古く、明治末期の1912年（明治45年）4月1日に、阪堺電気軌道の手によってその歩みを始めました。開業からわずか3年後の1915年（大正4年）6月21日には、会社が南海鉄道と合併したことに伴い、同社の駅として運営されることになります。戦時体制下の交通事業統合により、1944年（昭和19年）6月1日には近畿日本鉄道の一部となりました。しかし、戦後には再び鉄道会社の再編が進み、1947年（昭和22年）6月1日には路線の譲渡を受けて南海電気鉄道の駅となります。そして、1980年（昭和55年）12月1日に路線運営が阪堺電気軌道へ移管されたことで、現在に至るまで同社の停留場として機能しています。このように、東湊停留場は開業以来、複数社の経営を経てきたという特徴的な歴史を持っています。

停留場は、新たに敷設された軌道上に位置する地上駅構造を採用しています。特徴的なのは、単式のプラットホームが道路を挟んで互い違いに配置される、いわゆる千鳥式と呼ばれる形式がとられている点です。浜寺駅前方面へ向かうのりばは春日通1丁に、一方、恵美須町方面へ向かうのりばは八幡通1丁にそれぞれ独立して設置されています。かつては、浜寺駅前側の少し離れた位置に、区間運転を行う電車の折り返しに利用される片渡り線が存在していました。この名残として、現在でも電車の行先表示幕には「東湊」という表示が残されている車両が見られます。

東湊停留場の周辺には、公共交通機関としてバス路線も乗り入れています。最寄りのバス停留所名は「東湊電停前」と名付けられており、停留場からの乗り換えが容易です。このバス停からは、南海バスが運行する特定の系統のバスが利用でき、地域内の主要な地点や他の交通結節点へのアクセスを提供しています。

阪堺電気軌道阪堺線において、東湊停留場（駅番号HN26）は、恵美須町方面からは御陵前停留場（駅番号HN25）に続き、浜寺駅前方面へは石津北停留場（駅番号HN27）へと続いています。ここで特筆すべきは、石津北停留場に関する経緯です。石津北停留場に与えられている駅番号HN27は、阪堺線でナンバリングが導入された当初は欠番として扱われていました。しかし、2015年（平成27年）2月1日に新設された石津北停留場に、この欠番であった番号が充てられることになりました。これは、路線の近代化や利用者の利便性向上に向けた取り組みの一環と言えるでしょう。

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