東濃鉄道キハ1形気動車

東濃鉄道キハ1形気動車

東濃鉄道キハ1形気動車は、かつて日本の鉄道路線で使用されていたガソリンカーで、特に東濃鉄道の駄知線と笠原線で運行されていました。この車両は二両存在していましたが、その経歴や仕様には大きな違いがありました。具体的には、笠原鉄道のキハ1形と駄知鉄道のキハ1形が統合され、東濃鉄道の形式に再編成されたのです。キハ1は笠原鉄道のキハ1形から、キハ2は駄知鉄道のキハ1形から派生したものです。そしてどちらも、二軸単車のガソリンカーとして設計されました。

キハ1の詳細

キハ1は、1936年に笠原鉄道によって新たに製造されたガソリンカーです。この車両は、半鋼製であり、日本車輌製造によって生産されました。その特徴として、片側に鮮魚台（バケット）が設置されていたことが挙げられます。搭載されているエンジンはフォード製のV型8気筒エンジン（出力40.3kw）です。

戦時中はガソリン不足の影響を受け、客車の代わりに使用され、蒸気機関車によって牽引されることが一般的でした。1944年に東濃鉄道が発足すると、この車両はキハ1形キハ1として新たに登録され、運行開始となりました。

戦後はガソリンカーとして復活し、しばらくは運行が続きましたが、1950年に駄知線が電化されると、その運用機会は減少しました。結果的に、1961年に廃車となる運命を辿りました。

主要諸元

• - 全長: 8,180mm
• - 全幅: 2,642mm
• - 全高: 3,390mm
• - 自重: 6.9t
• - 定員: 40名(座席20名)
• - 機関: フォードV6（出力 40.3kw/200rpm）
• - 変速機: 機械式

キハ2の詳細

一方で、キハ2は1929年に駄知鉄道によって製造された木製のガソリンカーで、松井自動車工作所が手掛けた「ジハ1形ジハ1」が元になっています。この車両は故障が多く、購入直後にガソリンの引火によって車体が全焼するといった事故もありました。その後、1930年に改めて車体が新製され、片側に鮮魚台が備えられる仕様となりました。

元々搭載されていたウィスコンシン製のエンジンは、1932年にエンジンが破損したことを受けてウォーケシャVKに交換されました。この頃にキハ1形に改称されたとのことです。

戦時中の運用はキハ1と同様に客車としての使用が中心で、蒸気機関車に牽引されていました。1944年には東濃鉄道発足と同時にキハ1形キハ2として運用されることになりますが、戦後の復活後も旧型のため運用が減少し、1961年4月にキハ1と共に廃車となることが決定されました。

主要諸元

• - 全長: 8,260mm
• - 全幅: 2,644mm
• - 全高: 3,212mm
• - 自重: 8.0t
• - 定員: 40名(座席20名)
• - 機関: ウォーケンシャVK（出力 32.8kw/1400rpm）
• - 変速機: 機械式

結論

このように、東濃鉄道キハ1形気動車は、異なる背景を持つ二両が一つの形式に統合された結果、戦後の日本の地域交通に貢献しました。空間的で快適な車両の運行は地域社会にも寄与し、今日でもその歴史は人々の記憶に残っています。

もう一度検索