東濃鉄道1形蒸気機関車

東濃鉄道1形蒸気機関車

東濃鉄道1形蒸気機関車は、駄知鉄道が1922年に導入したタンク式蒸気機関車で、東濃鉄道の前身といえる存在です。この機関車は、その開業に合わせて製造され、当時の貴重な交通手段として役割を果たしました。2両が在籍しており、それぞれに歴史的な背景があります。

機関車の仕様

1形機関車は、1921年に雨宮製作所で制作されました。運転整備時の重量は約20トンで、飽和式の単気筒設計を採用しています。その特徴的な車軸配置は0-6-0(C)形で、ウェルタンク機関車としての性能を持っています。また、全長は7,378mm、全高は3,657mm、全幅は2,463mmに及びます。

動輪の直径は不明であるものの、弁装置には外側スティーブンソン式が使用され、シリンダーの直径と行程はそれぞれ279mmと406mmとされています。ボイラー圧力は11.25atm、火格子面積は0.75m²、全伝熱面積は37.16m²で、運転整備重量は21.6トン、燃料としては石炭を使用していました。

運用の歴史

1922年1月11日に、駄知鉄道の新土岐津駅から下石駅までの開業と共に、1形機関車がその役割を開始しました。特に、2両目の機関車（番号は2）は、1936年に北恵那鉄道へ貸し出され、その後の歴史でも注目されます。1944年には、戦時中の統合により駄知鉄道が東濃鉄道駄知線となり、この機関車も同線での運用が続きました。

1950年7月1日、駄知線が電化された後も1形機関車は予備機として残り、1951年12月には1号機が廃車となり売却され、その後1955年頃まで建設省利根川工事事務所で運用されている記録があります。2号機は1952年9月に廃車解体され、時代の波に飲まれていきました。

結論

このように、東濃鉄道1形蒸気機関車は、開業から廃車に至るまで多くの意義を持った存在だったことが分かります。歴史的な背景と技術的な魅力は、今も多くの鉄道ファンの間で語り継がれ、多くの興味を引き続けています。現代でも蒸気機関車の魅力は色あせず、その存在は鉄道史の重要な一部として位置づけられています。

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