東濃鉄道C形蒸気機関車

東濃鉄道C形蒸気機関車の概要

東濃鉄道C形蒸気機関車は、1921年に初代東濃鉄道に導入された蒸気機関車です。この機関車は、アメリカのバルカン・アイアン・ワークスが製造したもので、特に軌間762mm（2フィート6インチ）のサイズが特徴です。また、車軸配置は0-6-0（C）で、2気筒単式の飽和式タンク機関車として設計されています。

主な仕様

• - 全長: 4,469mm（端梁間）
• - 全高: 2,362mm
• - 最大幅: 1,981mm
• - 軌間: 762mm
• - 車軸配置: 0-6-0(C)
• - 動輪直径: 610mm
• - 弁装置: スチーブンソン式アメリカ型
• - シリンダー: 178mm×254mm
• - ボイラー圧力: 11.2kg/cm²
• - 火格子面積: 0.35m²
• - 全伝熱面積: 12.0m²
• - 運転整備重量: 8.9トン

この機関車は、製造されてから約2年間の遅れがあり、1920年に製造番号3056として識別されています。竣工は1922年11月16日で、この時の番号は4でした。もともとは1919年に予備機として購入が決定されていましたが、こちらの導入が遅れたため、大日本軌道製のA形機関車の性能が期待外れだったことからの判断でした。

経歴と変遷

東濃鉄道C形蒸気機関車の導入にあたっては、鉄道省からの干渉があり、設計の認可が遅れるという事態が発生しました。本機関車の導入にあたっては、必要な施設の強化認可が求められ、その結果として設計認可が下りることになったと記録されています。これにより、機関車の運用が早く行えるようになりました。

1926年には東濃鉄道の一部路線が国有化され、C形蒸気機関車は新会社である東美鉄道に譲渡されました。1928年にはその路線の改軌と電化工事が完成し、その結果本機関車は廃車となりました。しかし、その後の詳細な動向については明らかになっていないため、興味深い歴史を持つ機関車の一つです。

機関車の性能

この機関車の性能についてもいくつか特徴があります。シリンダービッチ引張力は1,182kgとされ、ブレーキ方式は手ブレーキを採用しています。これらの特性から、さまざまな運用において柔軟性が求められる機関車でした。

参考文献

1. 沖田祐作『機関車表 私設企業』滄茫会刊、1993年。
2. 臼井茂信『機関車の系譜図 2』交友社刊、1973年。
3. 臼井茂信「国鉄狭軌軽便線 10」『鉄道ファン 1983年12月号(No.272)』。

このように、東濃鉄道C形蒸気機関車は多くの歴史的背景を持つ特異な機関車であり、鉄道史に記録された貴重な存在と言えるでしょう。

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