東玲治

東玲治：真実を追い求めたジャーナリスト

東玲治（ひがし れいじ）は、1948年11月に愛媛県で生まれ、2008年10月21日に59歳で生涯を閉じたジャーナリストです。元サンケイ新聞（現産経新聞）記者として、数々のスクープを放ち、社会正義を追求しました。

生い立ちとジャーナリストへの道

愛媛県温泉郡南吉井村（現東温市）で生まれた東は、愛媛県立松山東高等学校、松山商科大学（現松山大学）経済学部を卒業後、1971年にサンケイ新聞に入社しました。高松、松山支局、大阪本社などで勤務し、ジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせました。

特筆すべき功績

東のジャーナリストとしての才能は、数々のスクープによって証明されています。

甲山事件のスクープ: 1974年、甲山事件で逮捕された容疑者について、警察・検察側の論拠が成立しないことをいち早く見抜き、スクープとして報道しました。この報道がきっかけとなり、検察は証拠不十分で容疑者を釈放せざるを得なくなりました。
県立高校新設に関する疑惑報道: 1984年、愛媛県の県立高校新設に関し、県が地方財政法で禁止されている負担金を松山市に要求したとの疑惑を報道しました。この報道後、取材拒否された日刊新愛媛が県を提訴した際には、証人として法廷に立ちました。
農業協同組合による光センサー選果機不正入札事件のスクープ: 2003年、愛媛県内各地の農業協同組合による光センサー選果機不正入札事件をスクープしました。

サンケイ新聞退社後

1988年、東はサンケイ新聞を追われるように退社し、1986年に廃刊した日刊新愛媛の再建を目指しましたが、時事通信からの記事配信が得られず断念しました。その後、1989年に月刊誌『県政往来』を立ち上げ、1996年からは後継誌『政経ジャーナル』を刊行し、地域に根ざした情報発信を続けました。

仙波敏郎との出会いと支援

2005年1月15日、東は愛媛県警巡査部長の仙波敏郎と出会います。仙波が県警の裏金問題を実名告発すると、東は「仙波敏郎さんを支える会」を発足させ、会長として仙波を全面的に支援しました。『政経ジャーナル』を廃刊してまで仙波を支え続け、その献身ぶりは仙波をして「東が女性であれば再婚したいぐらい」と言わしめるほどでした。

突然の死

2008年10月23日、東は自宅で死亡しているのを発見されました。検死では死因は心臓発作とされましたが、仙波は室内に争った跡があったこと、検死に立ち会った警察官が検死担当医に心臓発作と強弁していたことなどを指摘し、不審死である可能性を示唆しています。しかし、司法解剖、行政解剖は行われませんでした。

著書

『記者物語』創風社出版、2001年、ISBN 978-4860370008
『続・記者物語』創風社出版、2005年、ISBN 978-4860370565
『ドキュメント仙波敏郎』創風社出版、2007年、ISBN 978-4860370978

東玲治は、ジャーナリストとして、権力に屈することなく真実を追求し、社会正義の実現に貢献しました。その生き方は、現代のジャーナリズムに携わる人々にとって、大きな教訓となるでしょう。

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