東田 (北九州市)

福岡県北九州市八幡東区東田

東田は、福岡県北九州市八幡東区に位置する町名で、一丁目から五丁目までで構成されています。この地は、かつて日本の近代化を支えた官営八幡製鐵所が操業していた場所であり、その歴史を色濃く残しています。製鐵所跡地は、その広大な未利用地を有効活用するため、大規模な土地区画整理事業が行われ、大きく姿を変えました。

概要

東田地区は、1993年の「北九州市住まい・生活展」や2001年の「北九州博覧祭2001」の開催を機に、大規模な開発が進められました。JR鹿児島本線の直線化やスペースワールド駅の開業により、交通の便が向上。新産業の誘致や商業施設・業務施設の充実も図られ、利便性の高い地域へと発展しました。

この地区には、自然・歴史・環境を学ぶことができる北九州市立自然史・歴史博物館や北九州市環境ミュージアムが立地しています。また、かつてはテーマパーク「スペースワールド」がありましたが、2017年末に閉園しました。しかし、現在もその跡地には大型商業施設が建設されるなど、賑わいを見せています。

東田地区では、北九州市が掲げる「環境首都」の実現に向けた取り組みも活発です。2010年度から5年間、経済産業省の「次世代エネルギー・社会システム実証地域」に指定され、「北九州スマートコミュニティ創造事業」が実施されました。この事業では、次世代送電網（スマートグリッド）を中核に、電力の需給バランス調整の仕組みづくりに取り組み、電力の需要に応じて料金を変動させるなど、先進的な試みが行われました。

さらに、2011年からは、製鉄所で生じる副生水素を活用した「北九州水素タウン」の実証実験もスタートしました。これは、水素をパイプラインで地区内の家庭や商業施設、公共施設に供給し利用するというもので、水素エネルギーの普及に向けた重要な一歩となっています。

歴史

東田地区の歴史は、1897年（明治30年）の官営製鐵所開庁に始まります。1901年には、東田第一高炉が火入れされ、日本の近代産業を支える重要な役割を担いました。その後、1972年に東田高炉は廃止されましたが、その歴史は今もなお、地区内に残る史跡や記念碑によって語り継がれています。

1988年には、八幡東田地区周辺開発計画策定委員会が発足し、本格的な開発がスタート。1990年には、テーマパーク「スペースワールド」が開園し、多くの人々が訪れました。その後、1993年の「北九州市住まい・生活展」の開催、1994年の東田地区基盤整備事業の開始を経て、1999年にはスペースワールド駅が開業。都市機能がさらに充実していきました。

2002年には、北九州市立いのちのたび博物館と北九州市環境ミュージアムが開館し、教育・文化施設も整備されました。2006年には、大型商業施設「イオン八幡東ショッピングセンター」が開業し、商業機能も強化されました。そして、2022年には、「THE OUTLETS KITAKYUSHU」がオープンし、新たな賑わいを創出しています。

主な施設

東田地区には、様々な施設が立地しています。

東田一丁目

九州日本信販本社
コジマ×ビックカメラ八幡店
ジェイコム九州北九州運営局
釣具のポイント八幡本店
トライアル八幡東田店
ナフコ八幡東店
HOTEL AZ北九州八幡店
ミスターマックス八幡東店

東田二丁目

北九州イノベーションギャラリー
北九州市環境ミュージアム
北九州市立いのちのたび博物館
GEO北九州八幡東店
ディスカウントドラッグコスモス東田店
ゴルフ5スペースワールド駅前店
SPORTS DEPOスペースワールド駅前店
東田高炉記念広場（東田第一高炉跡）
ベスト電器八幡本店
九州労働金庫北九州西支店

東田三丁目

イオンモール八幡東
スシロー八幡東田店
中央町緑地
洋服の青山八幡東店

東田四丁目

スペースワールド（2017年12月31日をもって閉園）
THE OUTLETS KITAKYUSHU

東田五丁目

シーサイドスパ（スピナグループ）
マリコレ ウエディングリゾート&レストラン

交通・アクセス

JR鹿児島本線スペースワールド駅
北九州高速5号線東田出入口
* 北九州高速5号線枝光出入口

まとめ

東田地区は、製鐵所跡地という歴史的な背景を持ちながら、再開発によって大きく姿を変え、新たな都市機能を持つ地域へと生まれ変わりました。自然、歴史、環境、産業、商業が調和したこの場所は、北九州市の発展を象徴するエリアの一つと言えるでしょう。

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