東秀紀

東 秀紀について

東秀紀（あずま ひでき、1951年3月27日生まれ）は、日本を代表する作家であり、建築・都市史の研究者です。彼は東京都立大学の特任教授であり、英国王立都市計画家協会の正会員であるだけでなく、一級建築士の資格も保有しています。2001年には日本建築学会文化賞を受賞し、文壇と建築界において非常に高い評価を受けています。

略歴

和歌山県に生まれた東は、1969年に早稲田大学高等学院を卒業し、1973年に早稲田大学理工学部建築学科を卒業しました。その後、NKK（日本鋼管、現在のJFEスチール・JFEエンジニアリング）に入社し、都市計画の専門家としてキャリアをスタートさせました。

留学を経て、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで都市計画を学び、博士前期課程を修了しました。この海外留学で得た知識を基に、都市計画と文学を融合させた複数の著作を執筆しました。代表作には『漱石の倫敦、ハワードのロンドン』や『荷風とル・コルビュジエのパリ』があります。このように彼の著作は、都市計画の枠を超えて広がりを見せ、文学的な側面に光を当てています。

1994年には『鹿鳴館の肖像』で歴史文学賞を受賞し、作家としての道も歩み始めます。その後は『東京駅の建築家：辰野金吾伝』や『ヒトラーの建築家』など、専門分野である建築と都市計画に関連する作品を次々と発表しました。特に辰野金吾の伝記を描いた作品は、建築分野での研究と文学的要素を見事に結びつけています。

大学での教育と受賞歴

彼のキャリアの中で、NKKで都市総合研究所の所長としての役割も担い、2004年から2009年まで清泉女学院大学で教授を務めた後、2009年からは首都大学東京の教授に就任し、2016年に定年退職しました。現在は東京都立大学の特任教授として教育に従事しています。

彼の受賞歴は多岐にわたります。1995年には第19回歴史文学賞を『鹿鳴館の肖像』で受賞し、2001年には日本建築学会文化賞を受賞しています。また、2011年には稲門建築会特別功労賞を受けるなど、その業績が高く評価されています。

主な著作と活動

著書には1991年出版の『漱石の倫敦、ハワードのロンドン』や、1994年発表の『二つの東京物語』などがあり、特に『二つの東京物語』は新潮学芸賞の最終候補にもなりました。また、近年の著作には『アガサ・クリスティーの大英帝国』があり、この作品は日本推理作家協会賞の研究評論部門で最終候補に上がっています。

共同執筆としては、1984年発行の『近代日本の異色の建築家』や、2001年の『明日の田園都市への誘い』など、多数の作品があります。さらに、テレビにも出演しており、「東京駅復活大作戦」や「世紀をつなぐ橋：日本橋100年物語」などの番組に登場し、その知識を広く一般へと発信しています。

結び

東秀紀は学術的な探求を通じて建築と文学を結びつけ、多くの人に影響を与えてきました。彼の著作や教育活動は今も尚、次世代の研究者や作家にとっての大きな道しるべとなっていることでしょう。

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