東虢

東虢（とうかく）

東虢は、西周初期に存在した重要な諸侯国です。周王室の東の守りとして機能し、その歴史は周の建国初期にまで遡ります。

歴史

周の武王が殷を滅ぼした後、周王朝は広大な領土を統治するために、王族や功臣を各地の諸侯に封じました。この時、文王の弟である虢叔と虢仲がそれぞれ諸侯に封じられ、虢の国を建てます。虢叔は雍に封じられ西虢を建国し、虢仲は制（現在の河南省鄭州市滎陽市）に封じられ、東虢を建国しました。

これらの虢は、周王室にとって東西両面の重要な屏障としての役割を果たしました。特に東虢は、東方からの侵略を防ぐ上で重要な拠点でした。しかし、春秋時代に入ると、周王室の権威が衰退し、諸侯間の争いが激化していきます。東虢もその例外ではなく、周辺の諸侯国との間で紛争を繰り返しました。

紀元前767年、東虢は新興の強国であった鄭によって滅亡しました。これにより、東虢の歴史は幕を閉じ、その領土は鄭に併合されることとなりました。

歴代君主

東虢の歴代君主は以下の通りです。

虢仲
虢恵叔大林 - 《虢叔旅鐘》に記述が見られます。
虢叔旅 - 虢恵叔の子。《虢叔旅鐘》に記述が見られます。

これらの君主たちは、それぞれの時代において東虢を統治し、周王室への貢献や周辺諸侯国との外交を行いました。特に、虢恵叔大林と虢叔旅については、青銅器である《虢叔旅鐘》にその名が刻まれており、当時の東虢の歴史を知る上で貴重な資料となっています。

まとめ

東虢は、西周初期に周王室を支えた重要な諸侯国であり、その存在は周王朝の安全保障に大きく貢献しました。しかし、春秋時代に入ると、周辺の諸侯国との争いに巻き込まれ、最終的には鄭によって滅亡しました。東虢の歴史は、西周から春秋時代への移行期における諸侯国の興亡を示す好例と言えるでしょう。

参考資料

《虢叔旅鐘》

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