東西経済回廊

東西経済回廊（East-West Economic Corridor: EWEC）

東西経済回廊（EWEC）は、1998年に発足した、インドシナ半島を横断する経済開発計画です。この回廊は、ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナムの4カ国を結び、全長1,450kmに及ぶ道路を基盤としています。

このプロジェクトの主な目的は、地域内の経済成長を促進し、貿易と投資を活発化させることです。2006年12月12日に全線が開通し、参加国間の物流と人流の円滑化に大きく貢献しています。特に、内陸国であるラオスにとっては、この回廊が国際貿易への重要なアクセスルートとなっています。

経由地

ミャンマー

モーラミャイン
モン州
カレン州
ミャワディ

（国境を越えタイへ）

タイ

メーソート郡（ターク県）
ターク県
スコータイ県
ピッサヌローク県
コーンケン県
カーラシン県
ムックダーハーン県
ムアンムックダーハーン郡
第2タイ＝ラオス友好橋

（国境を越えラオスへ）

ラオス

カイソーン・ポムウィハーン郡
サワンナケート県
ダンサヴァン

（国境を越えベトナムへ）

ベトナム

ラオバオ
クアンチ省
トゥアティエン・フエ省
ダナン



この回廊は、各地域の経済活動を繋ぎ、都市間の連携を強化する役割も担っています。特に、タイのメーソートからベトナムのダナンまでを結ぶ主要ルートは、物流の効率化に貢献しており、これにより、域内全体の経済発展が促進されることが期待されています。

経済効果

東西経済回廊の開通は、参加国に多岐にわたる経済効果をもたらしました。具体的には、

貿易の促進: 国境を越えた物流が円滑化され、輸出入が活発化しました。
投資の誘致: 交通インフラの整備により、国内外からの投資が増加しました。
観光の促進: 回廊沿いの観光地へのアクセスが向上し、観光客の増加に繋がっています。
雇用創出: 関連産業の成長に伴い、新たな雇用機会が生まれています。

その他の経済回廊との関連

東西経済回廊は、大メコン圏（GMS）における重要な経済回廊の一つです。また、以下の経済回廊とも関連性があります。

南北経済回廊: 中国南部から東南アジアを結ぶ回廊。
南部経済回廊: ベトナム、カンボジア、タイを結び、港湾へのアクセスを強化する回廊。

課題

一方で、東西経済回廊の持続的な発展には、いくつかの課題も存在します。

インフラの維持: 道路や橋梁などのインフラの維持管理が必要です。
通関手続きの効率化: 国境を越える際の通関手続きをより迅速かつ効率的に行う必要があります。
環境保護: 開発に伴う環境への影響を最小限に抑えるための対策が求められます。

今後の展望

東西経済回廊は、今後も地域経済の発展に重要な役割を果たすことが期待されています。回廊沿いの地域では、さらなるインフラ整備や産業開発が進められると考えられ、これらがもたらす経済効果は、今後ますます大きくなっていくでしょう。

関連項目

第2タイ＝ラオス友好橋
高速道路12号線 (タイ)
南北経済回廊
南部経済回廊（Southern Economic Corridor）
大メコン圏（GMS）

外部リンク

* アジア開発銀行

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