東調級情報収集艦

東調級情報収集艦（815型）

東調級情報収集艦は、中国人民解放軍海軍の情報収集を担う重要な艦船で、同艦は主に電子偵察や情報収集を行うために設計されています。この艦級は、様々な改良を経て、現代の海軍戦略において重要な役割を果たしています。

背景

この艦の開発は、1990年の湾岸戦争における情報収集能力の重要性の高まりに基づいています。湾岸戦争の際に、多国籍軍は高技術兵器を駆使してイラクを空爆し、中国は情報収集能力の向上が急務であることを知りました。その結果、情報収集艦の開発計画が立ち上がりました。最初のモデルである812型はレーダー性能に問題があり廃棄されましたが、813型や814A型という改良型が登場しました。最終的に815型は1999年に建造され、その後も予算確保と技術革新により815A型が開発されました。現在、815型艦は北海艦隊、東海艦隊、南海艦隊に配備されており、幅広い海域で活動しています。

設計と装備

815型

815型情報収集艦は、ロングフォクスル形状の船体を持ち、船尾には中型ヘリコプターが着艦できる甲板があります。艦橋直前には光電セオドライトが装備されており、飛行目標を追跡する能力を有しています。中央部には大型主追跡レーダーがあり、1,000km以内の弾道ミサイルや人工衛星を追跡できるとされています。また、艦橋上部には小型の追跡レーダーが搭載されており、短距離の飛行目標を追尾することが可能です。さらに、艦橋の後部には高度46メートルの四角錐型マストがあり、各種無線通信やレーダー信号を受信するためのアンテナが備え付けられています。

当初、815型は情報収集と弾道ミサイルの追跡が主な任務でしたが、その後の技術進化により独自の装備が開発されています。

815A型

改良型の815A型（北極星号など）では、外観に明確な変化があります。船首の壁は切り立ち、武装も強化され、30mmの艦砲や機関砲が装備されています。排水量も6600トン程度に増加しました。さらに、光電セオドライトは自動化されたトラッカーに置き換えられ、艦橋上のレーダーも改良されています。この新しいレーダーは長距離で空母を探知する能力を持ち、情報収集能力が向上しています。

後部プラットフォーム上のアンテナは、艦対機通信中継用のものとなり、電子偵察装置を搭載したヘリコプターや無人機からリアルタイムで分析が行われます。新たに装備された艦載衛星通信アンテナにより、情報受信能力はさらに強化されています。

現在の運用

815型とも815A型とも呼ばれる同艦は、中国海軍の重要な戦力として、特に日本近海や東シナ海、南シナ海での活動が確認されています。艦番号851の北極星号は1999年に就役し、以後、様々なミッションを遂行してきました。また、艦番号853の天王星号や艦番号854の天狼星号など、多数の艦が就役し、情報収集活動に従事しています。このように、東調級情報収集艦は中国人民解放軍海軍の海上作戦においてますます重要な役割を果たしています。

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