東都水産

東都水産株式会社について

東都水産株式会社（とうとすいさん、英: TOHTO SUISAN CO.,LTD）は、東京都江東区豊洲に本社を構える水産物の卸売業者です。豊洲市場内に位置し、東京証券取引所のスタンダード市場に上場している企業です。

企業の沿革

東都水産の起源は、昭和10年（1935年）に設立された「東京魚市場株式会社」にさかのぼります。この会社は、築地市場の開設と共に誕生し、戦時には統制会社として運営されました。戦後、統制令の廃止により「東京水産物株式会社」へと名称変更し、さらに再編成の指示を受けた結果、昭和23年（1948年）に現在の東都水産株式会社が設立されました。初代社長には田口達三氏が就任し、設立時の資本金は700万円でした。

設立以降の発展

設立後の東都水産は、日本国内における水産物の卸売業を担い、昭和25年には水産物卸売業者としての許可を得ました。さらに1954年に東京冷凍工場をつくり、次第に業務を拡大しました。1955年には東京証券取引所で株式公開を行い、翌1956年には正式に上場を果たしました。

企業の成長は続き、1966年には資本金を10億円に増資。その後も順調に発展を続け、1986年には資本金が23億7,600万円に達しました。2002年には埼玉県内の水産物卸売市場を統合し、2007年には新たな子会社として東水フーズ株式会社を設立しました。

2018年には、豊洲市場の開場に伴い本社を移転し、最新の流通設備とともに業務を進めています。

株式公開買付け事件

近年では、2020年に株式会社麻生が子会社を通じて株式公開買付けを実施し、36.53%の株式を取得しました。その後、2022年には内部者取引に関する問題が発覚しました。証券取引等監視委員会が、東都水産の株式に関する情報伝達が不正に行われた疑いで調査を開始し、関係者が告発される事態となりました。この件に関し東都水産は、調査に協力する旨の声明を発表しています。

関連会社

東都水産は、埼玉県魚市場や千葉魚類株式会社など、複数の関連会社を抱えています。また、カナダにおいてもAERO TRADING CO., LTD.およびSUNNY VIEW ENTERPRISE LTD.を持ち、国際的な取引にも対応しています。

結論

歴史と伝統を持つ東都水産株式会社は、常に変化する市場の中で成長を続け、現在も日本の水産物卸売業界において重要な役割を果たしています。その業務は、新鮮な水産物を消費者に提供するだけでなく、持続可能な漁業の実現にも貢献していると言えるでしょう。

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