東雲 (吹雪型駆逐艦)

駆逐艦東雲の概要と歴史

駆逐艦東雲（しののめ）は日本海軍の駆逐艦として、吹雪型の6番艦に位置し、佐世保海軍工廠で建造されました。当初の艦名は第40号駆逐艦で、1928年の竣工直後に「東雲」と命名されました。この艦名は、同型艦の中で2隻目の名付けにあたります。吹雪型の艦は「雲」を艦名に持つため、雲級とも呼ばれることがあります。

艦の編成と歴史的背景

東雲は、第三水雷戦隊の傘下に属し、第12駆逐隊に編入されました。太平洋戦争の緒戦では南方作戦に従事し、特にマレー作戦に重要な役割を果たしました。開戦からわずか9日後の1941年12月17日、ボルネオ島北方のミリ沖で、オランダ軍の空襲を受けて沈没しました。これは吹雪型駆逐艦の中では初の戦没艦となり、その悲劇は未だに語り継がれています。

艦歴

東雲は1926年6月25日に艦名を与えられ、1927年11月26日に進水しました。そして1928年7月25日に竣工し、同年8月1日に正式に「東雲」と改名されます。この時期、吹雪型駆逐艦の3隻が同時に第12駆逐隊に編入され、艦隊の編成が整いました。このように、東雲は海軍の活動において着実にその役割を果たす艦艇として成長していきました。

その後、1931年に呉海軍工廠で改修工事が行われ、艦の能力向上が図られました。1933年から1936年にかけて艦隊再編が行われ、東雲は第12駆逐隊に再加わり、その後もマレー半島方面での作戦に頻繁に参加するようになりました。これにより、国際情勢が緊迫する中で、海軍の存在意義を強めていきます。

マレー作戦

太平洋戦争開戦前、第三水雷戦隊はマレー半島や東南アジアに向けての作戦に従事しました。1941年11月20日に呉を出発し、海南島の三亜港に到着。ここで、東雲と姉妹艦叢雲は哨戒任務を行い、南遣艦隊の主力部隊の一員としてマレー半島攻略作戦に参戦しました。

12月7日、東雲は輸送船団と共に陸軍の上陸作戦を支援し、抵抗に直面しない形で上陸に成功しました。しかし、その後の作戦においては、守備隊の強い抵抗に遭い、困難な状況に置かれることとなりました。タイトルに記されているように、12月10日にはマレー沖海戦において勝利を収め、その後、再びボルネオ島攻略に向かうこととなります。

沈没

東雲の運命は、1941年12月17日、ボルネオ北部でオランダ軍の空襲を受けた際に劇的に変わります。艦は攻撃を受けた結果、沈没してしまい、228名の乗員が戦死するという痛ましい結果をもたらしました。記録によれば、オランダ軍の空襲によって艦が沈没したとされていますが、機雷に触れたとの異説も存在します。

1942年1月15日には除籍され、その後の艦隊再編により第12駆逐隊は解隊された。東雲の沈没は日本海軍の歴史の中で短くも悲劇的な章を閉じることとなりました。

結論

駆逐艦東雲は、その短い艦歴の中で、海上作戦に多くの成果をもたらしました。彼女の任務と役割は太平洋戦争の歴史において重要な位置を占めており、その沈没は広範囲な作戦に影響を与えました。その存在は、今日でも多くの人々に記憶されています。

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