東雲住宅

東雲住宅（しののめじゅうたく）

東雲住宅は、東京都江東区東雲にある36階建ての超高層マンション型公務員宿舎です。再開発事業である東雲キャナルコートの一角に、PFI（Private Finance Initiative）事業方式を用いて建設されました。2011年1月に竣工し、事業費総額は約141億6000万円にのぼります。隣接する東雲合同庁舎も約120億円を投じて建設され、2013年8月から供用を開始しています。

建設の背景

東雲住宅の建設計画は、民主党政権下の2009年に行われた行政刷新会議の事業仕分けにおいて、公務員宿舎の建設が原則凍結された時期に重なります。全国で25件の計画がストップする中、東雲住宅は既に本体工事が進んでいたため、「事業継続やむなし」と判断された首都圏の7つのうちの一つでした。この計画は、週刊誌や民放テレビ番組でも多く取り上げられ、その是非について議論が交わされました。

東日本大震災における避難所としての役割

竣工直後に発生した東日本大震災により、東雲住宅は東京都によって財務省から無償使用許可を受け、避難者の受け入れを開始しました。都内最大の避難所となり、国家公務員の入居と並行して、多くの被災者を受け入れました。

当初、避難者の退去期限は2015年とされていましたが、2017年に延長、さらに家賃を支払うことを条件に2019年3月まで再延長されました。ピーク時には約360戸あった避難者も、2018年11月には約80世帯まで減少しましたが、退去期限後も60戸が退去せず、問題となりました。

訴訟問題

2019年9月、福島県議会は、家賃を支払わない自主避難者を提訴する議案を可決。2020年3月には、福島県が東雲住宅の住民に対し、住宅の明け渡しと家賃の支払いを求める訴訟を起こしました。2023年1月には、福島地方裁判所が一部の住民に退去を命じ、損害賠償を命じる判決を下しました。2023年1月から2024年4月にかけて、仮執行宣言がついた住民に対して、強制執行による退去が実施されました。

アクセス

東雲住宅へのアクセスは以下の通りです。

東京臨海高速鉄道りんかい線 東雲駅から徒歩10分（約730m）
東京メトロ有楽町線 辰巳駅から徒歩11分（約900m）
ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線・東京メトロ有楽町線 豊洲駅から徒歩12分（約980m）

関連情報

国家公務員宿舎法
東日本大震災後の仮設住宅

外部リンク

「東雲住宅」暗黒通信団

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