行政刷新会議

行政刷新会議の概要

行政刷新会議は、内閣府に設置された機関であり、2009年に民主党政権のもとで設立されました。しかし、2012年に政権が変わると廃止されました。この機関の設立は、官邸主導による政治の一元化を目的としたもので、鳩山由紀夫内閣の発足に合わせて設けられました。

設立の背景

民主党が第45回衆議院議員総選挙で提案した政権構想の一部として、行政の刷新を実現するための組織が求められていました。これに基づき、2009年9月に内閣官房に設置された「国家戦略室」や関係閣僚からなる「閣僚委員会」とともに、行政刷新会議が閣議決定によって設立されました。

設立から2日後の9月18日には、法律的根拠を得るための暫定措置として、国の予算や制度などを刷新し、国と地方公共団体及び民間の役割を見直すことを定めました。実際には、2011年11月から国の重要政策を公開で議論する「提言型政策仕分け」が実施され、これにより政策決定に対する議論が活発化しました。

廃止の経緯

行政刷新会議は2012年12月に民主党が政権から外れ、自由民主党が政権を取ると、同日の初閣議で廃止が決定されました。この決定は、当時の政治情勢の変化を反映し、民主党時代の政策実行機関としての役割を失ったことを示しています。

法律上の位置づけ

行政刷新会議は閣議決定によって設置されましたが、その法律的根拠を定めるための法改正が検討されていました。2010年2月には「政府の政策決定過程における政治主導の確立のための内閣法等の一部を改正する法律案」が提出されたものの、参院選での与党の過半数割れにより、成立は難航しました。最終的に、この法案は2011年5月に廃案となりました。

主要任務と構成

行政刷新会議の主な任務としては、内閣総理大臣の諮問に応じて行政の刷新に関する重要事項を調査・審議したり、その結果を基に意見を述べたりすることが含まれます。また、改革の実施を促進する役割も担っていました。

内閣総理大臣が議長を務め、副議長は行政刷新担当大臣がつとめるという構成になっており、その他には内閣総理大臣が指名したメンバーや専門家が参加していました。

事務局の役割

行政刷新会議の運営は内閣府が担当し、設立当初から事務局が設置されました。この事務局は、特異な形状の机を使用し、職員間のコミュニケーションを重視した設計がなされていました。このようなデザインの机は、費用対効果や実施の趣旨が問題視されましたが、職員の意見を尊重し、導入が決まりました。

事業仕分けと意見聴取

事業仕分けは、行政刷新会議の重要な活動の一つであり、具体的には国が行う事業についての評価や見直しが行われました。また、国民や職員からの意見を広く募るための窓口も設置され、無駄や非効率な行動についての見解を聴取しました。

このように、行政刷新会議は、非常に多岐にわたる業務を通じて国の行政の効率化と透明性を推進する役割を担っていましたが、政治環境の変化に伴ってその役目を終えました。

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