松久由宇

松久由宇：多才なペンネームを持つ漫画家の軌跡

松久由宇（まつひさ ゆう、1949年4月19日 - ）は、北海道置戸町出身の漫画家です。本名は松久壽仁であり、この名義での作品も存在します。また、クイーン・墓村、墓堀人、磨湖丈一、柳遼太、松久鷹人、鷹羽遙など、数多くの別名義を使い分けて活動していました。

生い立ちと漫画家への道

北海道置戸町で生まれた松久は、置戸中学校3年生の頃に村岡栄一が主宰する漫画サークル「奇人クラブ」に参加します。このサークルには、後に著名となる青池保子や岡田史子なども在籍していました。

北海道浦幌高等学校に進学後、高校1年の時に北海道新聞社主催の漫画募集企画に参加。このことがきっかけとなり、同郷の大和和紀に誘われ、高畠敦子（鷹羽あこ）が主催していた漫画サークル「ファンタジック・クラブ」に「磨湖丈一」のペンネームで参加します。高校3年生の時には、同じクラスになった吾妻日出夫（後の吾妻ひでお）と知り合い、吾妻にプロの漫画家になることを勧めたというエピソードも残っています。

1968年、高校卒業と同時に佐藤まさあきのアシスタント公募に応募し上京。住み込みのアシスタントとして働き始めますが、4ヶ月で辞任し、桑田次郎（のちの桑田二郎）のアシスタントに移籍。『大復活』『ミュータント伝』『デスハンター』などの作品制作に携わります。桑田の仕事量が減少した時期には、井上英沖の紹介で、「ゴルゴ13」のスチールアニメ制作（1971年4月 - 7月放送）にも参加しました。その後、独立し、漫画家としての道を歩み始めます。

デビュー当初から依頼原稿のみを手がけており、投稿や持ち込みの経験は一切ないという異色の経歴を持っています。

多岐にわたる作品群

松久由宇名義では、やまさき十三原作の『初体験 青春ポエム』や梶原一騎原作の『哀愁荒野』、工藤かずや原作の『危険なジル』など、様々なジャンルの作品を手がけました。また、クイーン・墓村名義では『夢幻機』、松久壽仁名義では『ウルトラマンA』や『伊東むかし物語 伊東祐親とその時代』、松久鷹人名義では『陽美子』や『I・餓男（アイウエオボーイ）』、鷹羽遙名義では『魔獣戦士』や『SF新古事記 まんが高天原ストーリー』など、多様なペンネームで幅広い作品を発表しています。

その他にも、学習教材や実用書など、漫画以外の分野でも活動していました。

外部リンク

松久由宇 (@kazekozou0011) - X（旧Twitter）
kaze (kazeno001) - note

松久由宇は、その多才な才能と多様なペンネームを駆使し、漫画界に独自の足跡を残した漫画家と言えるでしょう。

もう一度検索