松原湖

松原湖：自然と歴史が織りなす魅力的な高原リゾート

長野県南佐久郡小海町に位置する松原湖は、猪名湖、長湖、大月湖の3つの湖沼からなる総称です。しかし、一般的には最大の猪名湖を指して松原湖と呼ばれることが多いです。作家・井出隆夫（山川啓介）の幼少期の生活の場であり、童謡『北風小僧の寒太郎』のモデルにもなったこの湖は、美しい自然と豊かな歴史を兼ね備えた魅力的な観光地です。

松原湖の成り立ち：仁和地震の爪痕

松原湖は、887年に発生した仁和地震によって誕生しました。この地震によって天狗岳の山体が崩壊し、発生した大規模な岩屑なだれが大月川の流れをせき止めました。その結果、丘陵地の窪地に水が溜まり、現在の猪名湖、長湖、大月湖が形成されたのです。これらの3湖に加え、周辺の臼児池、鶉取池、桷木池、オシデノウミなどを合わせた7つの湖沼全体を「松原湖沼群」と呼びます。猪名湖の名前の由来は、その形が猪に似ていることにちなむと言われています。

観光とレクリエーション：四季折々の楽しみ

松原湖周辺には、湖畔を一周する散策路が整備され、のどかな散策が楽しめます。貸しボートも利用でき、湖上からの景色も魅力的です。湖畔にはいくつかの民宿があり、宿泊も可能です。

特に10月下旬から11月上旬にかけては、紅葉が見頃を迎え、天狗岳や稲子岳を背景にした美しい景色が広がります。夏はヘラブナ釣り、冬はワカサギ釣りが盛んで、釣り人にも人気のスポットです。最大水深7.7メートルと浅い湖のため、冬には結氷し、諏訪湖と同様に御神渡りが発生することもあります。

かつては、雪が少ないことから天然のスケートリンクとして利用されていましたが、1950年には氷が割れる事故が発生し、現在は近くの松原湖高原スケートセンターがその役割を担っています。

湖周辺には、小海町高原美術館や松原[[湖温泉]]施設「八峰の湯」（足湯あり）といった観光施設も充実しており、別荘地も広がっています。

歴史と文化：野ざらしの鐘

松原湖畔にある松原諏訪方神社には、国の重要文化財に指定されている「野ざらしの鐘」があります。これは、武田信玄が信濃攻めの際に落合新善光寺から持ち出したと伝えられる貴重な品で、歴史を感じさせる貴重な遺産です。他にも、弁天宮など、湖畔には歴史的な建造物が点在しています。

水力[[発電]]：自然エネルギーの活用

松原湖を含む大月川の水利権は中部[[電力]]が保有し、同社は松原発電所と八那池第一発電所の2か所の水力[[発電]]所を運転しています。松原発電所は大月湖と猪名湖の標高差を利用し、最大450キロワットの発電を行っています。また、八那池第一発電所は、猪名湖から八那池へと送水し、千曲川との標高差を利用して最大750キロワットの発電を行っています。1914年に運転開始した八那池第一発電所は、老朽化した発電機を更新しながら現在も稼働を続けており、その歴史は古く、地元に貢献しています。かつて使用されていた旧水車発電機は小海町に寄贈され、猪名湖畔に展示されています。

アクセス

小海線小海駅から小海町営バスで約20分とアクセスも良好です。

関連情報

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松原[[湖温泉]]
北風小僧の寒太郎（歌碑が松原湖水辺公園に建立）

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