松宮寒骨

松宮寒骨の生涯と業績

松宮寒骨（まつみや かんこつ）は、1883年1月3日に石川県金沢市に生まれ、本名は松宮三郎です。彼は日本の俳人、広告研究家として知られています。特に三越本店での広告部長としての役割は、広告業界での実績として高く評価されています。彼の俳号「寒骨」は、彼の詩的な活動に深い意味を与えるものとなりました。

経歴

松宮は開成中学校を卒業後、1908年に早稲田大学大学部商科を卒業しました。大学時代から彼は俳句に興味を持ち、河東碧梧桐に師事することになります。俳句の技術を磨くため、彼は「龍眠会」と呼ばれる俳句の団体に参加し、さまざまな詩人たちとの交流を深めました。また、碧梧桐が創設した雑誌『朱鞘』の同人としても活動し、俳句への情熱を注ぎました。さらに、自由律俳句を詠むようになり、碧梧桐と共に『海紅』という団体にも参加しました。

転機は、碧梧桐が『海紅』を離れたことにより、松宮は風間直得の編集による『東京俳三昧』を立ち上げ、後に碧梧桐と合流して『三昧』の活動に参加しました。以降、松宮は活動の拠点を『海紅』に戻し、人生の最晩年までこの団体に関わり続けました。彼の俳号が象徴するように、寒骨は一貫して自らの詩的な探求を続け、生涯を通じて俳壇に影響を与え続けました。1968年6月25日、85歳でこの世を去りました。

広告研究家としての活動

松宮寒骨は、広告研究家としても名を馳せていました。三越本店で広告部長を務めた彼は、越後屋時代からの広告を研究し、その成果を多くの著作にまとめました。本名の松宮三郎名義で、広告や宣伝に関する書籍を多数執筆し、日本の広告実務に大きな貢献を果たしました。特に、彼の広告学に関する著作は、広告業界の基礎を築く上で重要な役割を果たしました。

松宮はまた、上智大学の新聞科で広告論を教える講師としても活躍し、早稲田大学の広告研究会とも深く関わっていました。彼はさまざまな講義を通じて、学生たちに広告学の重要性を伝え続けました。

主な著作

彼の広告関連の著作には、『駿河町』（1915年）、『広告学概論』（1924年）、『百貨店読本』（1934年）、『広告生活二十年』（1935年）などがあります。また、広告心理学に関する訳書も多く執筆しており、その中にはW・D・スコットの『広告心理学』が含まれます。

松宮寒骨の影響は、その後の広告や俳句の分野にも色濃く残されています。彼の生涯は、広告実務の発展と同時に、日本の文学界における俳句の進化を物語っており、多くの人々にインスピレーションを与え続けています。

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