松尾正武

松尾正武：東映を支えた映画人

松尾正武氏は、1935年8月15日、大阪府大阪市北区に生まれました。幼少期は大阪で過ごしましたが、第二次世界大戦の影響を受け、兵庫県を経て京都府へと転居しています。戦後の1954年、京都府立桃山高等学校を卒業後、同志社大学商学部に進学。1960年に卒業すると同時に、東映京都撮影所の助監督として映画界への道を歩み始めます。正確には、後にニュー東映となる第二東映と契約を結び、助監督としてキャリアをスタートさせました。

東映京都撮影所での助監督時代、松尾氏は数多くの映画制作に携わっています。その活動は劇場映画のみならず、テレビ映画制作にも及びました。主な参加作品として、劇場映画では井沢雅彦監督作品『お奉行様と娘たち』、秋元清晴（秋元隆夫）監督作品『逆襲天の橋立』、小沢茂弘監督作品『赤い影法師』などがあります。また、マキノ雅弘監督作品『八州遊侠伝・男の盃』、長谷川安人監督作品『十七人の忍者』、加藤泰監督作品『風の武士』（B班助監督）など、錚々たる監督の作品に参加し、現場での経験を積んでいきました。

一方、テレビ映画制作では、東映京都テレビプロダクション設立(1964年2月1日)にも参加し、数多くの作品で助監督を務めました。河野寿一監督作品では多くの助監督経験を積み、『忍びの者』、『つむじ風三万両』、『新選組血風録』、『われら九人の戦鬼』といった作品で手腕を発揮。その他、『銭形平次』（田坂勝彦監督作品）や『俺は用心棒』、『剣』（山内鉄也監督作品）、『次郎長三国志』などにも参加しています。特に『次郎長三国志』では、1967年の撮影途中で10話から監督に昇進したという記録が残っています。

助監督としての経験を活かし、松尾氏は1967年にはテレビディレクターに昇進。監督としてのキャリアを歩み始めます。1970年には、京都市民映画祭で特別賞を受賞するなど、その作品は高い評価を受けました。

日本[[映画監督協会]]の物故会員欄に氏名が記載されていることから、松尾正武氏は既に他界されていることが分かります。具体的な没年月日は不明ですが、数々の作品に携わり、日本の映画界に貢献した人物であることは間違いありません。現在も、日本映画データベース、allcinema、IMDbなど、複数のデータベースでその功績を確認することができます。 東映俳優養成所の講師も務めたという記録も残っており、後進の育成にも尽力したことがうかがえます。

松尾正武氏の助監督時代から監督時代までの活動は、日本の映画・テレビドラマ史において重要な役割を担ったと言えるでしょう。多くの名作に携わり、後進の育成にも貢献した氏の功績は、これからも語り継がれていくに違いありません。彼の残した作品群は、日本の映像文化史における貴重な財産として、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

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