松尾葉子

松尾葉子は、1953年2月17日に愛知県名古屋市で生まれました。愛知県立明和高等学校普通科を経て、お茶の水女子大学教育学部音楽科に進学。その後、東京藝術大学指揮科に入学し、渡辺暁雄、小林研一郎に師事して指揮を学びました。1979年に同大学を卒業、大学院に進みました。

1981年、松尾はフランスに留学し、パリのエコールノルマル音楽院指揮科でピエール・デルヴォーに師事しました。1982年、ブザンソン国際指揮者コンクールにおいて、女性として史上初の優勝を果たし、小澤征爾に次ぐ日本人二人目の優勝者として、一躍注目を集めました。同年帰国し、プロの指揮者としてデビュー。東海テレビ賞を受賞しました。その後、東京藝術大学指揮科講師に就任し、後進の指導にもあたりました。

1983年には『若い芽のコンサート』でNHK交響楽団を指揮。以後、東京交響楽団、読売日本交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団など、日本の主要なオーケストラを数多く指揮しました。また、エイボン女性芸術賞を受賞するなど、その功績は高く評価されています。1999年にはセントラル愛知交響楽団の常任指揮者に就任しました。2000年には名古屋能楽堂で茂山千之丞演出による『ドン・ジョヴァンニ』を指揮し、都市文化奨励賞を受賞。2001年にはニューヨーク・カーネギーホールにてベートーヴェンの第九を指揮し、国際的な活躍も見せています。2017年には愛知県芸術文化選奨、2021年には知立文化賞を受賞しています。

松尾は、女声合唱団マドンナ「かきつばた」のディレクター、アンサンブル・フォルテの指揮者も務めています。また、トリフォニーホール・ジュニア・オーケストラの音楽監督、創立名誉指揮者としても活動しており、次世代の音楽家の育成にも力を注いでいます。

著書には、『マドモアゼルがシェフだって 女性指揮者の青春エッセイ』（かのう書房、1993年、後に「指揮者にミューズが微笑えんだ」として論創社から再刊）、『指揮者、この瞬間 夢はいつもファンタスティック』（樹立社、2008年）があります。

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