松山千春 季節の旅人

『松山千春 季節の旅人』（まつやまちはる きせつのたびびと）は、シンガーソングライターの松山千春がパーソナリティを務めたSTVラジオの番組です。2001年4月8日にスタートし、2007年2月11日まで、およそ6年間にわたり毎週日曜日午後に放送されました。この番組は、それまで同局で放送されていた『松山千春 風にのせて』からタイトルを変更する形で開始されました。

番組は、松山自身のフリートークや楽曲紹介などを中心に構成され、多くのリスナーに愛聴されていましたが、その歴史は予期せぬ形で幕を閉じることになります。2007年2月、松山千春に関連する不祥事が報じられたことを受け、同年2月18日に予定されていた放送回は中止となりました。これにより、番組は事実上の打ち切りという結末を迎え、当初の予定よりも短い期間で放送を終えることとなりました。

この番組の打ち切りは、松山千春とSTVラジオの長年にわたる関係において、一つの大きな転換点となりました。松山千春は、1976年に札幌テレビ放送のラジオ部門（現STVラジオ）で『サンデージャンボスペシャル』内の「千春のひとりうた」コーナーを担当して以来、30年以上にわたり同局でレギュラー番組を持っていました。『アタックヤング』の月曜日や水曜日パーソナリティ、そして『松山千春の今夜は決めよう!!』など、彼の名前を冠した番組は常にSTVラジオの看板の一つであり、地元北海道を中心に絶大な人気を誇っていました。しかし、『松山千春 季節の旅人』の突然の終了により、この30年以上に及ぶSTVラジオでの連続したレギュラー担当記録は、一時的に途絶えることとなったのです。

『松山千春 季節の旅人』の放送枠は、番組終了後『STVラジオサンデーミュージック』という別の番組に引き継がれました。しかし、松山千春の声がSTVラジオから完全に消えたわけではありませんでした。しばらくの期間を経て、全国のラジオ局にネットされる番組『松山千春のON THE RADIO』が開始され、STVラジオでもそのネット放送が始まりました。この番組は、形式上は埼玉県に拠点を置くFMナックファイブが制作を取りまとめていますが、実際の放送は多くの回が松山の居住地である札幌のSTVラジオのスタジオから生放送で行われています。これにより、実質的にはSTVラジオとFMナックファイブによる共同制作に近い体制となっており、松山千春は再びSTVラジオを通じてリスナーに語りかける場を持つこととなっています。

『松山千春 季節の旅人』の出演者は、パーソナリティである松山千春ただ一人でした。彼の独特の語り口や、社会情勢に対する鋭い視点、そしてリスナーからの葉書に真摯に答えるスタイルが番組の大きな魅力でした。

番組放送期間中の特徴として、2006年10月8日放送分からはポッドキャストによる番組の一部配信が行われていた点が挙げられます。インターネットを利用したこの取り組みは、当時のラジオ番組としては先進的でしたが、著作権上の制約から、オープニング、エンディング、そして番組内で使用された楽曲など、一部の著作権に関わる内容はカットされた状態で配信されていました。

『松山千春 季節の旅人』は、松山千春の活動キャリアにおける重要な一時期を彩った番組であり、その突然の打ち切りは、彼のラジオパーソナリティとしての歴史や、STVラジオとの特別な関係性を振り返る上で欠かせないエピソードの一つとなっています。その放送内容の一部は、インターネットアーカイブなどの形で現在も確認することが可能です。

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