松島ベイクルーズ

松島ベイクルーズ

松島ベイクルーズ株式会社は、かつて宮城県塩竈市に本社を構え、塩釜港マリンゲート塩釜を拠点に松島湾の遊覧船を運航していた海運会社です。その歴史は、東武鉄道グループの一員であった松島湾観光汽船株式会社に遡ります。

歴史

2004年、松島湾観光汽船は東武鉄道グループ内の再編により、東武車内販売株式会社に営業権を譲渡しました。同年中に東武車内販売は松島ベイクルーズ株式会社へと商号を変更し、新たなスタートを切りました。

しかし、2010年10月には、親会社であった東武鉄道が保有する全株式を大江戸温泉物語に譲渡したため、グループを離れることとなりました。その直後、2011年3月11日に東日本大震災が発生し、甚大な被害を受け、運航休止を余儀なくされました。

同じ航路を運航していた丸文松島汽船が震災からの復興を দ্রুত (はや) く果たし、ゴールデンウイークには運航を再開したのに対し、松島ベイクルーズは事業再開を断念せざるを得ませんでした。2012年3月1日付で事業再開の断念を公式サイトで発表し、同年6月には東北運輸局に事業廃止届を提出しました。

航路

松島ベイクルーズは、主に以下の航路を運航していました。

塩釜 - 松島: 約50分の航程で、季節によって便数が変動しました。ピーク時には日中30分毎に運航され、丸文松島汽船と競合していました。
松島 - 大高森: 1時間の航程で、かつては季節定期運航されていましたが、晩年は団体申込時のみの運航となっていました。
全島遊覧・奥松島・嵯峨渓周遊コース: 松島を発着する周回航路で、所要時間は1時間40分でした。冬季は運休していました。
かき鍋クルーズ: 冬季限定で運航された塩釜 - 松島間の航路で、所要時間は1時間でした。

船舶

松島ベイクルーズが運航していた船舶は以下の通りです。

はくつる (初代): 1965年1月竣工。総トン数161.68トン、旅客定員515名
ゆうづる: 1967年5月竣工、1978年改造。総トン数182.73トン、旅客定員平水500名・沿海400名
みちのく: 総トン数49.86トン、旅客定員150名
まなづる: 1972年2月竣工。総トン数131.75トン、旅客定員平水280名・沿海200名
龍鵬: 1974年3月竣工、1985年改造。総トン数259.25トン、旅客定員410名
孔雀丸: 1982年4月竣工。総トン数371.51トン、旅客定員460名
まつしま: 1984年4月竣工。総トン数94トン
はくつる (2代): 1987年4月竣工。総トン数205トン、旅客定員500名
やまびこ: 1990年4月竣工。総トン数88トン
あおば: 1993年4月竣工。総トン数227トン、旅客定員450名。事業休止後、丸文松島汽船に売却されました。

松島ベイクルーズは、東日本大震災という未曾有の災害により、その歴史に幕を閉じましたが、かつては多くの観光客を松島湾の美しい景色へと誘い、人々に感動と癒しを与えていました。

脚注

松島ベイクルーズ - ウェイバックマシン
東日本大震災による休業期間延長のお知らせ - ウェイバックマシン
営業停止のお知らせ - ウェイバックマシン

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