松川村図書館

松川村図書館は、長野県北安曇郡松川村の多目的交流センター「すずの音ホール」内に設置された公共図書館です。住民参加型の運営と、地域連携を重視した活動が特徴です。

歴史

図書館の歴史は、1951年に松川小学校の教室で図書室が開設されたことに始まります。その後、小学校の改築や公民館への移転を経て、2009年に現在の「すずの音ホール」内に開館しました。開館に先立ち、松川村は図書館条例を制定し、図書館法に基づく公共図書館として登録されました。長野県内では66番目の公共図書館となります。開館当初の開館時間は、平日は9時から19時まで、土日祝日は9時から17時まででした。休館日は火曜日、最終金曜日、年末年始、特別整理期間です。

2010年からは、全国に先駆けて「ぬいぐるみの図書館お泊り会」を実施し、毎年恒例のイベントとなっています。また、2016年度にはシステム更新に合わせて読書手帳を導入しました。

特色

松川村図書館は、児童書に力を入れており、2013年には蔵書の約60%が児童図書でした。2017年のデータでは、蔵書全体の約43%が児童書と絵本で構成されています。また、長野県の図書館としては2番目に、クラシック音楽の配信サービス「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」を導入しています。

住民参画

松川村では、長らく図書館が設置されていなかったため、「無料で図書を借りられる場所」というイメージが強くありました。そこで、公民館図書室、小学校、中学校の司書を中心に、図書館の役割を検討し、「児童サービスを重視する」という方針を決定しました。図書館の入り口にはランドセル置き場が設置されており、蔵書数が比較的少ないため、0類から8類までは児童書と一般書を混在させています。また、9類の棚には、著者名に加えて顔写真とプロフィールを掲載するという工夫も凝らしています。

「すずの音ホール」の設計段階では、住民が主体となったワークショップが3年間で数十回も開催され、先進的な図書館の視察や什器の選定、選書など、多くの住民が図書館づくりに関わりました。設計は龍環境計画が担当し、総工費は10億円です。

MLA連携

安曇野ちひろ美術館との連携を重視しており、図書館内には美術館の展覧会に合わせたコーナーが設けられています。図書館長が、ちひろ美術館で定期的に開催されているおはなし会に参加しているほか、絵本作家を招いた講演会やワークショップを、両館で共催しています。2016年には、安曇野ちひろ公園のトットちゃん広場に「電車の図書室」が設置されました。この図書室は松川村図書館の分室として位置付けられており、約500冊の図書を閲覧することができます。「ぬいぐるみの図書館お泊り会」は「電車の図書室」でも実施されています。

企画

松川村図書館では、定期的に各種イベントを開催しています。

パタパタママおはなし会：毎週水曜日午前10時30分から、図書館内のおはなしの部屋で開催されます。
おはなしドンドン 〜子どもたちのおはなしかい会〜：不定期の土曜日に開催される、乳幼児や未就園児向けの読み聞かせ会です。読み聞かせグループ「ミックスドロップ」のメンバーが絵本の読み聞かせを行います。クリスマスには、手作りのお土産もプレゼントされます。
おとなのためのおはなし会：不定期の土曜日に開催され、松川村や周辺地域のグループが、語りや朗読、音楽演奏などを披露します。

利用案内

開館時間
月曜日、水曜日～金曜日：9時～19時
土曜日・日曜日・祝日：9時～17時
休館日
火曜日、年末年始、館内整理日（毎月最終金曜日）、特別整理期間
貸出冊数・貸出期間
図書：5冊まで2週間
* 視聴覚資料：3点まで1週間

松川村図書館は、地域住民にとって身近な図書館として、読書活動の推進に貢献しています。

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