安曇野ちひろ美術館

安曇野ちひろ美術館

安曇野ちひろ美術館は長野県北安曇郡松川村に位置し、絵本画家いわさきちひろ及び世界中の絵本画家の作品を専門に収蔵する巨大な美術館です。この美術館は、松川村営の安曇野ちひろ公園内に立地し、自然に囲まれた環境が魅力です。

開館の背景

いわさきちひろの作品は、彼女の誕生地である松川村に深い関わりがあります。彼女の両親は戦後にこの地に移り住み、農業を営みました。ちひろ美術館の設立は、いわさきちひろ絵本美術館（現在のちひろ[[美術館・東京]]）の開館20周年を記念するプロジェクトとして始まりました。1993年、長野県で開催されたプロポーザルコンペティションによって内藤廣建築設計事務所が設計を担当することになり、1997年4月に美術館は開館しました。その後2001年には新館が増築され、展示スペースが約2倍に拡大されました。

美術館の特徴

安曇野ちひろ美術館では、いわさきちひろの作品を中心に様々な展示室が設けられています。展示室は以下のように分かれています：

1. 展示室1: ちひろの仕事
いわさきちひろの代表的な原画が展示され、年に四回のテーマを設定して新たな作品が紹介されます。

2. 展示室2: ちひろの人生
ちひろの人生の歩みを時系列で展示し、彼女の作品にどのような影響を与えたかを探ります。

3. 展示室3: 世界の絵本画家
世界中の絵本画家たちの原画を保存し、展示しています。多様な国籍の作家たちを紹介しており、作品は年に四回入れ替えられます。

4. 展示室4: 企画展展示室
特別展示が行われる部屋で、毎年四回の企画展がテーマに基づいて開催されます。

5. 展示室5: 絵本の歴史
歴史的な絵本や絵巻物など、現代の絵本に繋がる貴重な資料が展示されています。

サービスと施設

美術館内には約3000冊の絵本が閲覧できる「絵本の部屋」や、いわさきちひろの作品を使ったグッズが並ぶ「ミュージアムショップ」、地元の食材を使ったカフェなどもあり、訪れる人々に楽しさと安らぎを提供しています。また、子ども向けの「子どもの部屋」もあり、子どもたちが楽しめる遊び場を提供しています。

アクセス情報

美術館へは、JR大糸線の信濃松川駅から約2.5km、タクシーや自転車でのアクセスが便利です。また、長野自動車道の安曇野ICからも約30分の距離にあり、交通アクセスが良好です。ただし、冬季（12月16日から2月28日）の間は休館となるため、訪問の際には注意が必要です。

記念行事と受賞歴

2017年4月には開館20周年を迎え、これまでに389万人以上が来館しました。初代館長には松本猛氏が就任し、2011年からは黒柳徹子氏が二代目館長として就任しています。2020年にはちひろ美術館（東京・安曇野）が第一回日本博物館協会賞を受賞し、その評価が高まっています。

このように、安曇野ちひろ美術館は芸術と教育の両方の役割を果たしながら、訪問者に特別な体験を提供する場所として注目されています。

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