松平信古 (上山藩主)

松平信古（まつだいらのぶふる）は、江戸時代中期に活躍した大名であり、出羽国上山藩の5代藩主を務めました。官位は従五位下・安房守、後に山城守に遷任。藤井松平家嫡流の11代目にあたります。

生涯

明和7年（1770年）1月9日（明和6年（1769年）生まれとも）、4代藩主・松平信亨の長男として誕生しました。明和9年（1772年）11月11日に世子に指名され、天明7年（1787年）12月18日に従五位下・安房守に叙位・任官。寛政2年（1790年）2月20日、父・信亨の隠居により家督を継ぎました。翌2月21日には山城守に遷任されています。

しかし、信古が藩主となった頃、上山藩は父・信亨の時代からの財政難に苦しんでいました。さらに、藩政改革の主導権をめぐる家臣団の争いが絶えず、藩政は混乱していました。そのような状況下で、隠居した父・信亨と藩主となった信古は、藩政を顧みることなく、奢侈な生活を繰り返しました。その結果、藩の財政はさらに悪化し、脱藩者まで現れるという事態に陥りました。また、信古は改革派の家臣を疎んじ、排斥したため、藩政はますます停滞しました。

寛政8年（1796年）10月4日（10月14日とも）、信古は父の後を追うように死去しました。享年27歳という若さでした。跡は弟で養子の信愛が継ぎました。

系譜

父母：
父：松平信亨
母：鳥居氏（側室）
正室：松平忠恕の娘
* 養子：松平信愛（実弟）

松平信古は、藩主として在位した期間は短く、藩政を立て直すことができませんでした。若くして亡くなったこともあり、その治世は必ずしも成功したとは言えませんが、上山藩の歴史において重要な人物の一人であることは間違いありません。

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