松平光長

松平光長（まつだいら みつなが）

松平光長は江戸時代前期の大名であり、越後高田藩の藩主として知られています。彼は結城秀康の孫であり、徳川家康の曾孫、徳川秀忠の外孫という家系を持っています。光長の生涯は、幕府との関係や家族間の葛藤、藩政の運営における苦悩が描かれています。

生涯

高田立藩まで

光長は元和元年（1615年）、越前北荘城で松平忠直の嫡男として誕生しました。母親は将軍徳川秀忠の娘である勝姫です。彼は元和7年（1621年）に江戸に移り、初めて外祖父の秀忠との対面を果たしました。しかし、父忠直の配流によって、光長は母とともに北荘藩から移籍することになり、幕府からの指示により、最終的に越後高田に26万石を持つ高田藩が立藩しました。これは、光長が藩主としての地位を得るまでに多くの政治的駆け引きがあったことを示しています。

高田藩政

寛文5年（1666年）、越後高田地震が発生し、藩内は大きな被害を受けました。この際、藩は幕府からの資金援助を受けて復興を図ります。また、旱魃への対策として用水路の整備も行われ、藩の米生産量は大幅に増加しました。光長は大老の酒井忠清と親しい関係を築きつつ、藩における地位を維持していました。

福井藩への介入

母親である勝姫の希望を受け、光長は娘の国姫を福井藩主松平光通に嫁がせる手続きを進めましたが、複雑な事情から婚姻は遅れました。最終的には幕府の圧力の下、国姫と光通の結婚が実現するものの、夫婦の仲は再び悪化しました。国姫は出産の望みが絶たれたことで自ら命を絶つという悲劇が起き、光長の家族間の圧力が及ぼした影響が疑われています。

越後騒動

延宝2年（1674年）、嫡子である綱賢が急死し、後継者問題が浮上しました。重臣たちの議論により、万徳丸が新しい藩主として選ばれるも、藩内は対立に巻き込まれます。越後騒動は長引き、最終的には幕府が介入して騒動を治めることになりました。しかし、以降も藩の運営に影響を与え続けたのです。

配流生活

天和元年（1681年）、光長は藩の改易となり、伊予松山に配流されることになりました。彼は松山城で蟄居生活を強いられ、家臣の少数とともに新たな生活を送りました。この監禁状態は、1690年に入るまで続き、その後彼は江戸に戻る許可を受けることになります。

晩年

晩年には、合力米の配布により形式上は復帰しましたが、家族や一門からの厳しい監視の下に置かれました。元禄10年（1697年）、光長は隠居し、後継者として宣富を迎え入れます。最終的に、宝永4年（1707年）に93歳で長い生涯を閉じました。彼の家臣の多くは津山藩に仕官しており、光長の名はその後も引き継がれることとなります。

系譜

• - 正室： 登佐姫（毛利秀就の長女）
• - 長男： 綱賢（無嗣で死去）
• - 女子： 国姫（松平光通正室）
• - 養子： 綱国、宣富（津山松平家の祖）

このように、松平光長の生涯は多くの苦悩や葛藤に満ちており、江戸時代の大名としての彼の存在は、幕府と藩の関係性を考える上でも重要な要素となっています。

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