松平典則

松平典則：激動の時代を生きた川越藩主の生涯

松平典則（まつだいら つねのり）は、天保7年（1836年）に生まれ、江戸時代後期から明治時代にかけて生きた武蔵国川越藩の第5代藩主です。彼は幕末の動乱期に藩主として様々な事柄に対処し、明治維新後には華族となりました。結城松平家9代当主としての彼の生涯を詳細に見ていきましょう。

藩主就任と幕末の動乱

典則は、父である4代藩主・松平斉典の四男として江戸で誕生しました。兄の早世により弘化3年（1846年）に世子となり、嘉永2年（1849年）に名を典術から典則に改めます。嘉永3年（1850年）に父の死去により家督を継ぎ、川越藩主となりました。

藩主として、典則は幕命により外国船の到来に備えて相模湾の警備を担当しました。嘉永6年（1853年）のペリー来航の際には、警護の任に当たるなど、幕府の重要な政策の一端を担いました。

隠居とその後

嘉永7年（1854年）に、典則は眼病を理由に家督を養子の直侯（なおたか）に譲り、隠居しました。この時、彼にはまだ実子がおらず、後継者を確保する必要がありました。安政4年（1857年）には静寿斎と号し、川越城三の曲輪で隠居生活を送ります。

しかし、隠居後も「前君様」として藩政に大きな影響力を持ち続けました。7代藩主・松平直克（直侯の養子）が上野国前橋藩に移封されると、それに従って前橋城三の丸に移り住んでいます。

明治5年（1872年）に前橋城が前橋県庁となると、柿の宮へ移り、明治10年（1877年）には東京へ移りました。東京へ移るまでの明治8年（1875年）には三男の基則が生まれています。

死去とその後

明治16年（1883年）7月24日、松平典則は48歳でその生涯を閉じました。彼の死後、明治17年（1884年）には三男の基則が松平直方（直克の養子）から家督を継承しています。

松平典則の系譜

松平典則は多くの子女に恵まれました。以下に彼の系譜を示します。

父：松平斉典（1797-1850）
母：お登勢（矢部氏）
側室：佐受岐氏
長男：恒彦
長女：冨
次女：瓊
三女：益（1864-1924）
女子：八重 - 根村五郎室
四女：久（1866-1945） - 徳大寺公弘室
五女：鋭（1868-1912）
次男：玉生銑一郎
六女：錫
七女：八重（1873-1937） - 松平直之継室
八女：鋜
三男：松平基則（1875-1930）
養子：松平直侯（1839-1862） - 徳川斉昭の八男

結城松平家の系図

以下に、江戸時代後期から近代までの結城松平家の継承関係を実系で示します。

（省略：実際の系図は省略します。必要に応じて追記してください。）

松平典則は、幕末という激動の時代に川越藩主として、そして明治維新後には華族として、日本の歴史に名を刻みました。彼の生涯は、時代の変化に対応しながらも、家を守り、次世代へと繋いでいくという、大名としての責任を全うしたものでした。

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