松平守家

松平守家：竹谷松平家の祖

松平守家（まつだいら もりいえ）は、戦国時代の武士であり、竹谷松平家の祖として知られています。通称は左京亮、法名は全長または全祐と称しました。彼がどのようにして竹谷松平家の祖となったのか、その足跡を辿ります。

生涯

松平守家は、松平信光の長男として生まれました。彼が具体的にいつ竹谷の所領を分与されたのかは、明確にはわかっていません。しかし、竹谷松平家が分出した当初から竹谷を拠点としていたわけではないという説も存在します。例えば、「藩翰譜」などの記録によれば、竹谷松平家の4代当主である清善までの間は、岡崎に居住していたとされています。

しかし、文亀元年（1501年）8月16日付けの「大樹寺連判警護状」には、松平諸家の一人として竹谷弥七郎秀信の名が署名されています。また、同年に松平道閲が大樹寺に宛てた寄進状によれば、道閲が寄進した伊賀塚本（現在の岡崎市伊賀町）の田圃は、30年以上前の文明年間に故・左京亮殿が受けた所領であり、その年貢の一部が竹谷弥七郎分として引き渡されていたことが記されています。このことから、竹谷弥七郎秀信は松平守家の子息の一人と推定され、守家の時代にはすでに竹谷の所領を有していたと考えられます。

没年については、「藩翰譜」や「寛政重修諸家譜」では文亀3年（1503年）8月7日とされています。しかし、上記の大樹寺宛松平道閲寄進状から、文亀元年以前に守家が死去していたことが判明するため、これらの記録は誤りであると考えられます。守家が生存していた時期には、松平氏の庶家の一つとして、宗家3代信光や4代親忠を中心とする一族一揆が形成されていたと推測されています。

竹谷松平家について

竹谷松平家は、守家を祖とする松平氏の分家であり、三河国宝飯郡竹谷（現在の愛知県蒲郡市竹谷町）を拠点としました。守家の後、どのようにして竹谷松平家が発展していったのか、今後の研究が待たれます。

参考文献

中村孝也『家康の族葉』講談社、1965年。
平野明夫『三河松平一族』新人物往来社、2002年。

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