松平康東

松平康東

松平康東（まつだいら こうとう、1903年2月5日 - 1994年5月4日）は、日本の外交官として、激動の20世紀を駆け抜けた人物です。元駐アメリカ大使の来栖三郎を叔父に持ち、外交官としての道を歩みました。

生い立ちと学歴

1903年、東京府東京市（現在の東京都）に、松平市三郎の長男として生を受けました。名門の開成中学校、第一高等学校を経て、1927年3月には東京帝国大学法学部法律学科（仏法）を卒業しました。在学中の1926年11月には、高等試験外交科試験に合格しており、将来の外交官としての道を確かなものとしていました。

外務省入省と在外勤務

大学卒業後の1927年4月、外務省に入省し、在外研究員としてフランスに留学しました。その後、フランス在勤の外交官補、条約局第二課勤務の外務事務官、そして条約局第二課長などの要職を歴任しました。1941年1月には、大使館二等書記官としてアメリカに赴任しますが、日米開戦に伴い1942年8月に帰国。同年12月には条約局第一課長に就任しました。1944年4月には、一等書記官としてソビエト連邦に派遣されるなど、戦時下においても外交官として活躍しました。

戦後の活動と国連大使

終戦後は、臨時外務省事務、調査局長を歴任し、1949年11月に外務省を退官しました。その後、1950年6月には第2回参議院議員通常選挙に自由党公認で全国区から出馬しましたが、残念ながら落選しました。しかし、その後も外交官としてのキャリアを重ね、外務省参与、駐カナダ大使、駐国連代表部大使、駐インド大使を歴任しました。

特に、国連大使在任中の1961年2月21日には、外務省外交問題懇談会で国連警察軍への派兵を積極的に支持する発言をし、大きな議論を呼びました。この発言は、当時の池田勇人首相によって否定されましたが、国際社会における日本の役割について深く考えさせる出来事となりました。

家族と墓所

松平康東の墓所は、石川県金沢市の妙慶寺にあります。父の市三郎は日本郵船の参事を務め、弟の康西は日本特殊燃料の専務を務めるなど、一族も各界で活躍しました。妻の愛は湯原甫の姉です。

参考文献

『昭和十一年度版 帝国人事大鑑』帝国日日通信社、1935年。
秦郁彦編『日本近現代人物履歴事典』東京大学出版会、2002年。
『国政選挙総覧：1947-2016』日外アソシエーツ、2017年。

外部リンク

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