松平忠昭 (藤井松平家)

松平忠昭（まつだいら ただあき）

松平忠昭は、丹波国亀山藩の第2代藩主で、官位は従五位下・玄蕃頭および伊賀守を持つ重要な人物です。彼は伊賀守流藤井松平家に属し、この家系の藩主としても2代目にあたります。その生涯は波乱に満ちており、幼少期から大きな苦難を経験しました。

幼少期と家督相続の経緯

忠昭は初代藩主松平忠晴の次男として生まれ、幼名は千太郎です。彼の誕生当時、嫡子である兄・忠俊が早世するという不幸が訪れたため、家督は従兄の忠栄に託されました。しかし、寛文6年（1666年）、忠栄が廃嫡されたことで、忠昭が嫡子として認められ、同年に将軍徳川家綱と初めて対面しました。この出会いは忠昭の人生において大きな意味を持つものでした。

その後、寛文7年（1667年）に父の隠居を受けて忠昭は家督を相続します。藩主に就任するも、忠昭の境遇は決して安泰ではありませんでした。彼の父は男子が次々と夭逝してしまっていたため、忠昭の遺命に従い、異母弟の忠周を後継者に据えることに決めました。

死去とその後

天和3年（1683年）、忠昭はこの世を去り、その法号は勇哲存秀晋光院と名付けられました。彼の墓所は京都府京都市左京区にある光明寺にあり、今なお多くの人々に敬われています。忠昭の死のわずか半年前には4男・忠隆が誕生しており、忠隆は父が残した遺志を引き継ぐことになりました。

忠昭の死後、家督相続を巡る家臣間の権力争いが起こりましたが、最終的には彼の父である忠晴の遺志に従い、忠隆が家督を継ぐこととなりました。この抗争は藩内の安定に影を落としましたが、忠隆はこれを乗り越え、家族と家中の和を保ちながら氏族を発展させる道を選びました。

系譜について

忠昭の系譜は、彼の家族における重要な結びつきを示しています。父は初代藩主の松平忠晴、母は側室の大野木氏です。政略結婚を経て、忠昭は松平忠国の娘・栄昌院を正室として迎えました。また、側室には柘植氏がおり、忠隆は彼女との間に生まれた子供でした。さらに、忠昭は実弟の松平忠周を養子とし、家族の流れを守るための策を講じていました。

忠昭の生涯は、家族と藩の安定を図るための奮闘の歴史とも言えます。彼は徳川幕府という大きな権力の中で、自身の立場を守りながら一族の名を継ぐことに尽力しました。その足跡は、亀山藩の歴史の中で今も語り継がれています。

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