松平忠晴

松平忠晴（まつだいら ただはる）

松平忠晴は、江戸時代初期の大名であり、駿河国田中藩、遠江国掛川藩、そして丹波国亀山藩の初代藩主を務めました。官位は従五位下・伊賀守。伊賀守流藤井松平家の初代当主です。

生涯

下総国布川にて、松平信吉の次男として生まれました。幼名は不明。元和元年（1615年）に叙任。元和5年（1619年）に父・信吉から常陸国土浦藩の領地の一部である2000石を分与されます。寛永10年（1633年）には、3代将軍・徳川家光に仕え、書院番士を皮切りに奏者番などを歴任。その働きぶりが評価され、安房国に2000石、下総国に1000石を加増され、土浦の知行と合わせて5000石を領しました。

寛永19年（1642年）8月、駿河田中において2万5000石の大名に取り立てられ、寛永21年（1644年）3月には遠江掛川へ移封されました。掛川藩主時代には、側室との間に次男・千太郎（後の忠昭）を授かります。

正保5年（1648年）閏正月、8000石の加増を受け、丹波亀山へ移封。同年8月には、近隣の丹波福知山藩主・稲葉紀通の改易騒動の際、福知山城の受け取り役を務めました。同年、正室が江戸藩邸で亡くなっています。正室との間には、長男・忠俊を含む二人の子をもうけました。

万治4年（1661年）4月、丹波亀山にて、側室との間に三男・与十郎（後の忠周）が誕生。正保2年（1646年）に長男・忠俊が亡くなった後、兄・忠国の五男・忠栄を養子としますが、後に解消。寛文7年（1667年）には、庶子である忠昭を嫡子とし、三男・忠周を順養子とすることを幕府に願い出て、許可を得ました。その後、将軍家や老中へ御礼の進物を献上しています。同年閏2月9日、忠昭に家督を譲り隠居し、忠山と号しました。

寛文9年（1669年）3月23日、国許にて72歳で死去。法号は良光忠山善徳院。墓所は京都府京都市左京区の光明寺にあります。

忠晴の死後、江戸にいた忠昭は、急使により訃報を知り、急遽引き返したとされています。忠晴は生前、子供のいなかった忠昭の後継ぎとして、弟の忠周を養子にするよう遺命していましたが、相続の際、家臣団の間で対立が起こりました。

系譜

父母
父: 松平信吉
母: 松平信一の娘
正室
長晴院: 浅野長晟の養女、杉原長房の娘
側室
大野木氏
宝樹院: 木村氏
子女
松平忠俊（長男）：生母は長晴院（正室）
松平忠昭（次男）：生母は大野木氏（側室）
松平忠周（三男）：生母は宝樹院（側室）
娘：生母は長晴院（正室）
養子
松平忠栄: 松平忠国の五男

関連人物

松平忠勝 - 桜井松平家。紀州藩士。

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