松平松千代

松平松千代：徳川家康の七男、深谷藩主としての短い生涯

松平松千代（まつだいら まつちよ）は、安土桃山時代に生きた武将であり、徳川家康の七男として生まれました。母は側室・茶阿局であり、松平忠輝とは同母兄弟にあたります。彼は長沢松平家の10代当主であり、深谷藩の2代藩主でもありました。

若くして藩主となる

文禄2年（1593年）、長沢松平家の当主であり、深谷藩主でもあった松平康直が後継者を残さずに亡くなりました。その翌年、生まれたばかりの松千代が長沢松平家を継ぎ、深谷藩主となりました。しかし、慶長4年（1599年）1月12日、わずか6歳という若さでこの世を去りました。法名は栄昌院殿。

彼の死後、同母兄である忠輝が家督を継ぎました。

生没年をめぐる異説

上記の生没年は『徳川幕府家譜』に拠ったものですが、『幕府祚胤伝』では異なった記述がされています。『幕府祚胤伝』によれば、松千代は文禄元年（1592年）に誕生し、文禄3年（1594年）2月8日に死去したとされています。この説によれば、忠輝とは双子の兄弟であった可能性も指摘されています。

平岩親吉の養子縁組の謎

また、『徳川幕府家譜』では、長沢松平氏は忠輝が直接継いだとされており、松千代は通説では異母弟である松平仙千代の経歴とされる平岩親吉の養子になったと記されています。松平仙千代は後に御三家筆頭となる徳川義直の同母兄であり、平岩親吉が功臣であったとしても、仙千代を養子とするのは不自然であるという見方があります。庶子の第二子である松千代の方が、養子としてより適当であるという説も存在します。

このように、松平松千代は短い生涯の中で、徳川家康の子として、そして深谷藩主として、歴史に名を刻みました。彼の生没年や、平岩親吉との関係には諸説ありますが、その存在は徳川家の歴史において重要な意味を持っています。

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