松平正朝 (大草松平家)

松平正朝は、生没年不詳ながら、戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将であり、大草松平家の8代目当主です。父は松平康安。通称は壱岐守、善四郎と称しました。妻は松平近正の娘。

徳川家康に仕え、小田原の役にも参陣し、その武名を高めました。慶長5年（1600年）からは台徳院に仕え、関ヶ原の戦いでは上田城を攻めるという重要な任務を担いました（第二次上田合戦）。

慶長10年（1605年）4月16日には、従五位下壱岐守に叙せられ、その功績が認められました。大坂の陣にも供奉し、夏の陣では御書院番の小頭を務めるなど、幕府における重要な役割を果たしました。

元和8年（1622年）には大番頭に就任し、1000石を領しました。元和9年（1623年）5月には父の遺跡を継ぎ、駿府定番となります。寛永2年（1625年）からは徳川忠長に仕えますが、寛永9年（1632年）に忠長が改易された際、水谷勝隆に預けられるという不遇の時期も経験しました。

寛永12年（1635年）に許され、水戸藩の徳川頼房に附属し家老となります。参考文献として『寛政重修諸家譜第一』が挙げられます。

このように、松平正朝は徳川家康を支え、数々の戦で功績を挙げた一方で、主君の改易により苦難も味わった人物でした。しかし、最終的には水戸藩で家老として活躍し、その生涯を終えました。彼の足跡は、戦国時代から江戸時代初期にかけての激動の時代を生き抜いた武将の一つの典型を示していると言えるでしょう。

参考文献

* 『寛政重修諸家譜第一』（国民図書、1922年、138p）

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