松平英親

松平 英親（まつだいら ひでちか）

松平英親は豊後高田藩の第2代藩主で、後に豊後杵築藩の初代藩主として歴史に名を残した重要な人物です。彼は能見松平家の7代目として家督を継ぎました。英親は初代藩主である松平重直の長男であり、重直は出羽上山藩の松平重忠の養嗣子でした。この複雑な家族背景の中で、英親は家督を受け継ぐとともに、藩の発展に貢献する道を歩むことになります。

家督を継承したのは寛永20年（1643年）正月のことであり、その翌年には摂津三田藩に転封される運命が待っていました。しかし、英親はわずか6年後に高田藩へと再度転封され、その地で藩政の確立に中心的な役割を果たしました。当初、高田は竜王藩と呼ばれていましたが、彼の統治下で発展を遂げました。

彼が高田藩を治めるために行った活動は多岐にわたりました。特に重要だったのは法令の整備です。面白いことに、英親は25か条の法令を制定し、藩政の基盤を固めるために尽力しました。さらに、彼は寛文2年（1662年）から検地を実施し、新田開発にも力を入れ、農業の振興を図りました。英親の藩治下での取り組みは、経済的な安定をもたらし、藩士たちがより良い生活を営む基盤を築くことに寄与しました。

また、明暦2年（1656年）には、日根野吉明が改易された際に府内城の受け取り役を務めるなど、藩の内政においても重要な役割を果たしていました。このような活動を通じて、英親は藩の安定と繁栄を意図し、一層の発展を目指しました。

彼は元禄5年（1692年）12月4日に長男の重栄に家督を譲り、隠居生活に入ります。英親は藩主としての責務を果たした後、宝永3年（1706年）3月10日に82歳で人生を閉じました。その間、彼は江戸（現在の台東区竜泉）の正燈寺の開基でもありました。

松平英親の生涯は、豊後地方における藩政の重要な章であり、彼の施策や理念は後の藩主たちにも影響を与え続けました。彼が残した功績は、単に地域の統治にとどまらず、文化や経済にも深く根ざしており、その影響力は今なお感じられることでしょう。

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