松平頼縄

松平頼縄（まつだいら よりつぐ）は、江戸時代後期に常陸国府中藩の第9代藩主を務めた人物です。文化2年（1805年）に8代藩主・松平頼説の長男として生まれ、文化10年（1813年）に世子となりました。

天保4年（1833年）に父の死去に伴い家督を相続し、藩主となります。弘化元年（1844年）には、本家の水戸藩主であった徳川斉昭に蟄居の命令を伝えるという重要な役割を果たし、その後を継いだ徳川慶篤の補佐にも尽力しました。

頼縄は藩政に携わる一方で、文化的な造詣も深く、蹴鞠を趣味としていました。飛鳥井雅光の門下に入り、紫組の冠懸を許されるほどの腕前であったと伝えられています。

明治元年（1868年）12月3日、病を理由に三男の頼策に家督を譲り隠居しました。そして、明治17年（1884年）1月24日に80歳でその生涯を閉じました。

系譜

父：松平頼説
母：曾我氏 ー 側室
正室：軽姫 ー 奥平昌高の娘
継室：最子、光君 ー 二条治孝の娘
子女：
松平頼策（三男）
松平頼寿
貴志頼邁
松平頼教
昌子（長女） ー 久松勝慈正室
安子 ー 子爵松平義生の後妻、徳川慶勝の養女

年表

文政7年（1824年）12月：従四位下掃部頭に叙任。
天保4年（1833年）11月：家督を相続し、常陸府中（現在の茨城県石岡市）の所領を継承。12月には播磨守に転任し、侍従を兼任。
明治元年（1868年）12月：隠居後、右京大夫に叙任。
* 明治13年（1880年）5月：正四位に昇任。

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