松平頼説

松平頼説（まつだいら よりひさ）は、江戸時代中期から後期にかけての武士であり、常陸国府中藩（現在の茨城県石岡市）の第8代藩主を務めました。官位は従四位下・播磨守、侍従を授与されています。

略歴

頼説は、太田頼陽（松平頼済の次男）の長男として生まれました。実母は鈴木氏です。幼名は兼太郎、弁次郎と称しました。寛政5年（1793年）11月、先代藩主であった松平頼前の養嗣子となり、寛政7年（1795年）9月10日に頼前の隠居に伴い家督を相続し、府中藩主となりました。

藩主として、頼説は藩校の創設や新田開発に尽力し、領民の生活向上に努めました。自身も学問に造詣が深く、文学を奨励する一方で、蹴鞠を趣味としていました。飛鳥井雅威の門下に入り、紫組の冠懸を許されるほどの腕前であったと伝えられています。天保4年（1833年）9月13日、56歳でこの世を去り、跡は長男の頼縄が継ぎました。

年表

1793年（寛政5年）11月：藩主松平頼前の養子となる。
1794年（寛政6年）12月：従四位下兵部大輔に叙任。
1795年（寛政7年）9月10日：家督を相続し、常陸府中藩の藩主となる。この頃、播磨守にも叙任される。
1796年（寛政8年）12月17日：侍従を兼任。
1833年（天保4年）9月13日：死去。法名は巌徳院敬誉俊亮順説。諡号は靖侯。墓所は茨城県常陸太田市の瑞龍山。

系譜

実父：太田頼陽
実母：鈴木氏（側室）
養父：松平頼前
正室：寧子、寿姫、咸姫（いずれも細川治年の娘）
側室：鈴木氏、曾我氏、石川氏、大庭氏

子女

松平頼縄（長男）：母は曾我氏（側室）
中山信守（次男）
松平頼功（三男）
有馬広衆（四男）
谷衛滋（五男）
知久頼匡（六男）
信：松平頼誠正室
女子：松平頼善室後に畠山義宣継々々室
* 女子：本堂親道正室後に鈴木重矩室

松平頼説は、藩政において文化と学問を奨励し、自らも蹴鞠に秀でるなど多才な人物でした。その治世は、府中藩の文化的な発展に寄与したと言えるでしょう。

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