松木ひろし

松木ひろしについて

松木ひろし（まつき ひろし）、本名は松木弘。1928年11月16日、東京市神田区で生まれました。彼は2016年9月19日に亡くなるまで、劇作家として多くの作品を手がけた著名な脚本家です。松木は、東京府立第五中学校時代に澁澤龍彥と友人関係にあり、その後は旧制東京高校を経て大学受験に挑戦するも失敗します。しかし、その後彼は鎌倉アカデミアの夜間講座映画科で学び、脚本家としての道を歩み始めました。

1950年、松木は自らの劇団を設立し、その後、明治座の文芸部に入社して企画宣伝などを担当しました。この明治座における経験を通じて、菊田一夫や飯沢匡の芝居に感銘を受け、以後の脚本活動に大いに影響を与えたとされています。

1954年、ニッポン放送の開局の際には、同社に入社してラジオ番組の制作に関わり、自己の劇団「現代劇場」を立ち上げるなど、多彩な活動を展開しました。1958年には、同劇団で上演した「娑婆に脱帽」が新劇戯曲賞の候補作となり、それが彼の評価を高める転機となりました。

また、同年、フジテレビの開局に伴い、出向して演出も手がけつつコメディ作品『ぼうふら紳士』でテレビ脚本家デビューを果たしました。その後、松木は多くの脚本を手がけるようになり、1961年には独立を果たし、テアトル・エコーにも脚本を提供しました。

彼の作品は特に喜劇に強く。クレイジーキャッツの〈無責任〉シリーズや、ザ・ドリフターズ、コント55号などとのコラボレーションにより、数々の記憶に残る喜劇映画を生み出しました。1970年には、向田邦子や窪田篤人らと作家集団SHPを結成し、テレビラジオ出身の作家に対する待遇改善を目指しました。

松木の手がけた代表的な作品には、テレビドラマ『七人の孫』や『だいこんの花』があり、特に森繁久彌主演のシリーズは多くの視聴者に愛されました。また、1970年代に放送された「石立ドラマ」では、そのほとんどでメイン脚本家として活躍し、突き抜けたコメディを書き上げました。

松木ひろしは、人情味あふれる喜劇への愛情を持ちながら、多数のドラマ・映画作品を提供し続けましたが、2016年の晩年に急性白血病により87歳で逝去しました。その功績を称え、日本のテレビドラマや映画の歴史に深く名を刻む存在となっています。彼は残した作品を通じて、今なお多くの人々の心に生き続けています。

主な作品

テレビドラマ

• - ぼうふら紳士（1960年、フジテレビ）
• - 七人の孫（1964年 - 1966年、TBS）
• - だいこんの花（1970年、NET）
• - 池中玄太80キロ（1980年・1981年、日本テレビ）など。

映画

• - 僕は独身社員（1960年）
• - ニッポン無責任時代（1962年）
• - 散歩する霊柩車（1964年）など。

著書

• - いまに陽が昇る（1967年）
• - 鬼退治（1971年）など。

松木ひろしという名は、日本のエンターテイメントの一端を担った、記憶に残るシナリオライターとして、今後も語り継がれていくことでしょう。

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