松木伸男

松木伸男：日本の投資革新者

松木伸男（まつき のぶお）は、1948年10月1日生まれの日本人投資家であり、アメリカ流の投資ファンドビジネスを日本に持ち込んだ先駆者として知られています。東京都で生まれ育ち、東京工業大学の工学部を1971年に卒業し、その2年後には同大学院で社会工学を学び修士課程を修了しました。

松木氏のキャリアの第一歩は、トヨタ自動車販売（現在のトヨタ自動車）での勤務に始まり、その後、1977年にはノースウェスタン大学の経営大学院で修士号を取得しました。彼の経済的視野を広げる転機となったのは、この留学経験です。その後、外資系の投資会社で取締役を経験し、1982年にはアメリカのベンチャーキャピタル、パシフィック・テクノロジー・ベンチャーズを設立しました。この企業は日本におけるアメリカ型のベンチャーキャピタルの先駆けとなり、松木氏はその代表取締役としての地位を確立しました。

1985年にはシュローダーと手を組み、シュローダー・ピーティーヴィ・パートナーズを設立し、後にはシュローダー・ベンチャーズへと進化しました。この会社もまた松木氏の手腕のもと、成長を遂げることになります。2002年にはバイアウトによって独立し、シュローダー・ベンチャーズをMKSコンサルティングに改名し、彼は新たに代表取締役社長に就任しました。この改革がきっかけで、MKSパートナーズが2002年に設立され、松木氏はその代表取締役社長とCEOを務めることとなりました。

また、松木氏は投資活動のみならず、多数の企業の役職にも就いており、2000年にはカルチュア・コンビニエンス・クラブの取締役、さらに2003年には福助の取締役会長、2005年には三景の取締役会長を歴任しました。2007年にはドーワワークスの取締役会長に就任し、東京工業大学の特任教授も務めていました。

彼の運営するMKSパートナーズは、アドバンテッジ パートナーズやユニゾン・キャピタルと並び御三家と称され、クラシエホールディングス、福助、ラオックスなどの企業を保有していました。しかし、2008年に起きたリーマン・ショックの影響でMKSパートナーズは解散を余儀なくされ、松木氏は2010年に香港へ移住しました。

松木氏はまた、著書として『バイアウトファンド : ファンドによる企業価値向上の手法』を大橋和彦、本多俊毅と共著で2004年に出版しています。この書籍は、ファンドを通じた企業価値の向上についての実践的な手法を提供しており、投資家や経営者から高い評価を得ていることでも知られています。

松木伸男の業績や経験は、現代の日本の投資環境に多大な影響を与え、新たな投資ファンドビジネスの潮流を生み出す礎となりました。

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