福助

福助株式会社: 日本の足袋と靴下の老舗

福助株式会社（ふくすけ）は、東京都江東区に本社を構え、足袋・靴下・ストッキング・下着などを製造・販売している企業です。豊田通商の100%子会社としても知られるこの会社は、足袋ブランドの代表格として多くの日本人に親しまれています。私たちが現在目にする福助の製品の多くは、1882年に創業された大阪府堺市にそのルーツを持ち、その後の展開により全国的なブランドとなりました。

歴史的背景

福助の歴史は、創業者の辻本福松が「丸福」として足袋の製造販売を始めた1882年に遡ります。しかし、この商標は他社により既に登録されていたため、福松は伊勢参りの際に目にした福助人形を商標のデザインに採用し、1900年に「福助印堺足袋」として新たに商標登録しました。また、1895年には足袋用のミシンを開発し、製造プロセスを一新することで大量生産を実現しました。

辻本福松の死後を受け、息子の辻本豊三郎が会社を引き継ぎ、東京への販路拡大を試みました。しかし、当時は「足袋は手縫い」が常識であったため、豊三郎は広告戦略を強化し、新聞や看板を駆使して福助ブランドの認知度を高めました。

1923年には博多、1928年には大阪・道頓堀および東京・浅草に巨大な広告塔を設置し、さらには戦後にはサトウハチローや三木鶏郎が手がけるテレビ・ラジオCMでその存在感は増します。同社は1930年代から靴下や下着など製品ラインの拡大へも進出し、1950年代にはズック靴の生産も行いました。

経営の変遷

しかし、足袋・靴下以外の分野での業績は思わしくなく、1980年代には著名デザイナーとの提携を図るも、売上の改善は見られませんでした。2003年6月に民事再生法を申請し、426億円の負債を抱えて倒産。その後、伊勢丹のバイヤーとして知られる藤巻幸夫が新たに社長に就任し、経営再建を開始しました。この再生の過程で、福助は東京に本社を移転し、新生福助として事業の軌道修正を図ります。

2007年には豊田通商との資本提携を経て連結子会社となり、2009年には全株式を取得され、完全にグループ企業としての道を歩むことになりました。

現在と未来

福助は、現在も「fukuske」「福助」などのブランド名で店舗展開を行い、その多様な製品は時代に合わせて進化しています。また、2021年には東京都江東区に社屋を移転し、最新の宣伝戦略に取り組む姿勢を示しています。広告戦略も過去の名作に倣い、現代的な視点から新たな試みを行っています。

まとめ

福助株式会社は、長い歴史を持ちながらも常に変化を求め、足袋や靴下という伝統を守りつつ、新たな市場での競争にも挑む姿勢が強調されます。これからも多様な製品展開を通じて、国内外での存在感をさらに高めていくことでしょう。

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