大橋和彦

大橋 和彦（おおはし かずひこ）

大橋和彦は、1963年に生まれた日本の著名な経済学者です。特に金融論の専門家として知られ、一橋大学大学院経営管理研究科の教授として活躍しています。また、東京科学大学エネルギー・情報卓越教育院でも教授職を務めています。彼は日本ファイナンス学会の会長、日本銀行金融研究所の顧問、不動産証券化協会フェロー、そして日本証券クリアリング機構の取締役など、金融界で多くの重要な役職を歴任してきました。

経歴

大橋は1986年に一橋大学経済学部を卒業し、その後1988年に同大学の大学院経済学研究科で経済学修士を取得しました。指導教官は山崎昭氏です。その後、1993年にはマサチューセッツ工科大学スローン経営大学院の博士課程を修了し、経営学博士（Ph.D.）の学位を取得しました。

彼のキャリアは、1993年にマギル大学経営大学院で客員研究員としてスタートし、1994年にはスタンフォード大学経営大学院での客員研究員としての経験を経て、筑波大学社会工学系で講師の職に就きました。1996年には、一橋大学商学部に専任講師として着任し、その後1998年に助教授、1999年にはシカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスの客員研究員を経て、一橋大学大学院国際企業戦略研究科の助教授に就任しました。そして、2007年には同大学の教授に昇進しました。

大橋は、学問だけでなく、金融界のリーダーシップを担ってきました。2008年には日本ファイナンス学会の会長に就任し、その後も日本銀行金融研究所の客員研究員やアジアファイナンス学会の理事を務めるなど、様々な役職で貢献してきました。2011年には不動産証券化協会のフェローに就任し、2015年には日本証券クリアリング機構の取締役に選任され、2021年には東京工業大学エネルギー・情報卓越教育院の教授としてクロスアポイントメントを得ました。2024年からは東京科学大学の教授に就任予定です。

受賞歴

2015年には、その論文「The Relative Asset Pricing Model: Toward a Unified Theory of Asset Pricing」が評価され、Investment Management Consultants Association（IMCA）よりEdward D. Baker III Journal Award Honorable Distinctionを受賞しました。この受賞は、彼の学問に対する優れた貢献を示しています。

著作

大橋は多くの著書を執筆しており、特に金融に関する分野での影響力が大きいです。代表的な著作には、2000年に共同執筆した『変革期の金融資本市場』（日本評論社）、2010年に第2版が発行された『証券化の知識』（日経文庫）や、2001年の共著としての『Capital Markets, Banking and Corporate Finance』（マクミラン出版社）などがあります。また、2002年には一橋大学大学院商学研究科編『新世紀の先物市場』を出版し、金融分野での洞察を提供しました。

さらに、彼は訳書にも携わっており、ダレル・ダフィーの『資産価格の理論』や、ヒュン・ソン・シンの『リスクと流動性: 金融安定性の新しい経済学』などの重要な著作を日本語に翻訳しています。

その貢献により、大橋和彦は金融学界で非常に重要な位置を占めており、教育者として、また研究者としても影響力を持つ存在です。

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