松本テアトル銀映

松本テアトル銀映とは

松本テアトル銀映は、かつて長野県松本市城東に存在した映画館です。有限会社松本興行によって経営されていました。

歴史

開館

松本テアトル銀映の前身は、1870年（明治3年）に開館した松本劇場です。この劇場は、筑摩県初の常設劇場として誕生しました。その後、1914年（大正3年）には、松本劇場とは別の場所に銀映座が開館しました。この銀映座が、後の松本テアトル銀映へと繋がります。

映画黄金期

1950年（昭和25年）には、銀映座は松本大映へと改称しました。当時、松本県ヶ丘高等学校の文化祭では、松本大映が会場として貸し出され、映画研究会が『ハムレット』などの映画を上映したこともありました。これは、当時の映画人気を象徴する出来事と言えるでしょう。

1960年（昭和35年）11月2日には、松本大映は大映に貸借され、一時的に大映の直営館となりました。しかし、同年12月中旬には、上土町に新たな大映系劇場である松本ニュー大映が開館しました。これに伴い、同年12月15日に松本大映は東宝関東興行の傘下に入り、スカラ座と改称して洋画封切館として再スタートを切りました。この時の支配人は緒方浩氏でした。

その後、1963年（昭和38年）には、スカラ座はテアトル銀映と改称し、主に洋画を上映する映画館として営業を続けました。

閉館

2008年（平成20年）10月24日、松本テアトル銀映は閉館しました。最終上映作品は、松本テアトル銀映1が『幸せの1ページ』、松本テアトル銀映2が『同窓会』でした。閉館の主な理由は、観客数の減少と建物の老朽化でした。また、駐車場がないという立地条件も、集客に影響を与えたと考えられます。末期には、上映中に観客が一人もいないこともあったといいます。

松本テアトル銀映を経営していた有限会社松本興行は、閉館後の2008年（平成20年）12月20日に、松本市郊外にシネマライツ8を開館しました。これは、新たな映画館事業への転換を意味するものでした。

スクリーン

松本テアトル銀映には、複数のスクリーンがありました。それぞれのスクリーンの詳細な情報については、現存する資料が限られているため、詳細は不明です。

まとめ

松本テアトル銀映は、明治時代から続く歴史ある映画館でした。映画黄金期には多くの人々に親しまれましたが、時代の変化とともに閉館を迎えました。しかし、その歴史は、松本市の映画文化の一端を語る上で欠かせないものでしょう。

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